†【the walking dead】†
□†【3】†
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物資調達へ出ていた俺は
市街地でﾘｯｸと出逢い
より一層
世界が変わった気がした
[………］
どんな風に変わったって
ﾘｯｸの脱出作戦だ
それはそれは奇想天外な
ピザ屋の制服の代わりに
ｳｫｰｶｰの血で染まった服と臓器を首からぶらさげ
ｳｫｰｶｰの群れの中を歩いたり
届けるピザの変わりに
鉈を握っている
ｳｫｰｶｰの脳天に刺すためだ
（………）
ｷｬﾝﾌﾟ内では
保守的なモノだった
輪を纏めていた
ﾘｯｸ以外のもう一人の保安官は
ｷｬﾝﾌﾟを守る事を優先し
きっと…仲間が一人消えても
仕方がないと言っていただろう
[…ﾀﾞﾘﾙ]
ﾘｯｸは俺達に救われたと
言ってくれるけど
動きが出来なくなった俺達を
ﾘｯｸは救ってくれたんだと思うんだ
(あ？なんだよ中国人)
[韓国人だよ…］
(だからなんだよ日本人)
[…韓国人だよ]
ﾀﾞﾘﾙ
きみは苦手だ俺は
(…はッ
俺をｼﾞﾛｼﾞﾛ見てねぇで
森を見渡せ
それとも何だ？
おまえはゲイか？あ？)
無愛想だし常に自由行動だ
何処からｳｫｰｶｰが
現れるのかわからない世界で
何でこんなにも
強いのだろうか
[…はぁ]
(!!)
俺なんか必要ないんだろう
[…探そう]
（おい…何処行く）
[向こうを探すよ…
韓国人は嫌なんだろ？]
(あ？)
………だからさ
こっちが｢あ？｣だよ
ﾀﾞﾘﾙと離れて
森の中をｿﾌｨｱを探す
隠れそうな場所を
ｳｫｰｶｰの存在を気にしながら
背後から
カサカサ…
俺に近づく足音が
[!?]
ｳｫｰｶｰ？
鉈を強く握りしめ
近づく足音へと振り向いたら
案の定ｳｫｰｶｰが3体
木の間から唸り声を出しながら
足早で近づいてきた
俺は後ろに立っていた
木にのぼり
下から上へと腕を伸ばし
襲い掛かるｳｫｰｶｰを
[喰われてたまるか！]
１体づつ脳天に鉈を刺し
倒していく
あと１体…と
腕を振り上げた瞬間に
[わわッ!!]
俺が乗っていた枝が折れて
下へと落ちて手から鉈が離れた
グワッ!!…と伸びてきた
灰色の腕に掴まりそうになり
[ぎやああッ!!helpッ!!]
両足で蹴っ飛ばし叫ぶと
(ぎゃあぎゃあ叫ぶな!!
クソ餓鬼）
何処からかﾀﾞﾘﾙが現れて
ﾀﾞﾘﾙへと唸りながら振り向いたｳｫｰｶｰに
(黙れ)
ブスッ…ﾎﾞｰｶﾞﾝの矢を頭に射した
思わずﾊﾟﾁﾊﾟﾁと手を叩き
[はぁはぁ
あ…ありがとう…ﾀﾞﾘﾙ]
そう言葉を投げると
(テメェ何かってに離れてんだ
マジでふざけんなよ中国人)
［………］
だからｸﾞﾚﾝだっての…
結局ﾀﾞﾘﾙに着いて
ｿﾌｨｱ探しを再び開始し
何だかんだ
ｳｫｰｶｰはﾀﾞﾘﾙがﾎﾞｰｶﾞﾝで
何体も倒して
(おい…
おまえの握るソレは飾りか？)
[……ッ]
まるで森の中の木の存在の俺
(…ちッ)
[ちょっと本当
俺凹むから]
闇が世界を染めた
こんな世界にならなければ
夜は１日の終わりで
唯一の自分の時間で
身体を休める時間だった
今は
夜に訪れる闇が
とても怖い
[…ﾃﾞｰﾙ？]
ーなんだ？眠れないか？ー
[ん…ギター…ありがとう]
ーん…
きみなら喜んで
弾いてくれるとおもってなー
[はは♪
いつか…弾ける場所に
辿り着いたら
ﾃﾞｰﾙにまず俺のｷﾞﾀｰを
聴いてほしいよ]
ーああ…勿論だｸﾞﾚﾝー
[………ﾃﾞｰﾙ？]
ーんん？ー
[…ﾀﾞﾘﾙは
何でｳｫｰｶｰが怖くないんだ？]
ー…ｸﾞﾚﾝ
怖くない人間は居ない
ﾀﾞﾘﾙはそうだなぁ
って…考えられるほど
彼はまだ自分達に
心を開いてないな〜…ー
[…そうだね
近寄るなｵｰﾗが半端ない]
ー……ただ
ﾘｯｸと初めて
ｸﾞﾚﾝと出逢ったあの市街地で
きみを救うのに相手の尻に
ﾎﾞｰｶﾞﾝの矢を放ったのだろ？ー
[あ…ああ]
ー…きみを救おうとしたし
その人間を殺しもしなかった
これもﾀﾞﾘﾙの一部で
少なくとも仲間に本気で
銃を向ける者じゃないとわかった
それに彼はｿﾌｨｱを必死に探している
きっと誰よりも探しているよ
ー
[…誰よりも？]
ー…今日は外の月が綺麗だった
みてくればどうかなｸﾞﾚﾝー
[……ん]
ﾃﾞｰﾙに聞いた
綺麗だと言う月を
俺は気を紛らすのに見ることにした
廃車になり廃車の中の
かつて人間だった遺体達と共に…
[………月
余り見えないんですけど]
よくよく考えると
今日は天気は曇りで
月が綺麗に見える筈がなかった
車の中へ戻る途中で
真っ暗な廃車の間を
歩いてくるモノが
[ｳｫｰｶｰ？]
こちらに向かってきた
俺は腰の鉈を握り
仲間を襲う前に
ｳｫｰｶｰを仕留めようと決めて
身体を低くし
静かに近づいていくと
(…おい
俺だ…ｳｫｰｶｰじゃねぇよ)
[！]
向かってきた者は
ﾀﾞﾘﾙだった様で
俺は廃車の影から身体を出した
[…何処へ？]
(ｼｮﾝﾍﾞﾝだ)
[………］
(？？)
[そうか…
何処までｼｮﾝﾍﾞﾝをしに？]
(…何処でもいいだろ)
ﾀﾞﾘﾙの身体は
なんだか昼間よりも
汚れていた
もかして…夜中も
森の中を探しに行っているのかなｿﾌｨｱを
[……そうだね]
ﾀﾞﾘﾙは何故
そんなに必死にｿﾌｨｱを探すのか
離れ離れになったﾒﾙﾙと
出会えないだけじゃない気がするよ
(…退けよ)
[あ…ごめん]
(おい…)
[？？]
(向こうには行くなよｸﾞﾚﾝ)
[！…うんうん♪]
(？？
なんだよﾆﾔﾆﾔすんなよ
きもちわりぃ…)
[はは…何でもないよ
明日も一緒にｿﾌｨｱを探そう]
(明日はｷｬﾛﾙもｱﾝﾄﾞﾚｱも同行する
自由行動はとるなよ韓国人)
[はい…すみません]