CP1

□断片
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「うん……ええよ」
 君島の提示した条件に、種ヶ島は穏やかに頷いた。
「でも、サンサンは自分のタイミングやなくてええの?」
 ここまで来てわかったことがある。
 遠野の心は折れない。彼からテニスを奪うことはできない。私にその権利も無い。
 それでも。
「……彼を見ていると決意が揺らいでしまいそうだから」
「あぁ〜」
 君島の暗い表情に、種ヶ島は納得したように何度も頷いた。
「できれば雑念の入り込む余地の無い、試合の直後などでお願いします」
「細かいなぁ。ええけど!」
「全てを話せば遠野くんも私に愛想を尽かすでしょうね。そうなれば清々しますよ」
 そう付け加えた君島を種ヶ島は暖かい眼差しで見守っている。

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