派生色松novel
□シロツメクサの花冠2
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「いぢまづぐん!」
古びた廊下の向こう側からとててとこちらへかけてくる。
相変わらず眩しい笑顔だ。
「今日も一緒に帰れるだか?」
「うん。僕はお前と一緒に帰るつもりだったけど。」
僕の返事を聞くとふふ、そうかぁ、あんがとなぁと言って眩しい笑顔をよりいっそう輝かせた。
放課後。カラ松は僕を校門で待っていた。
「カラ松、待った?」
「待ってないだよ。さぁ、帰るべ」
うん。帰ろうか。そう言って歩き出した時だった。
「生徒会長!」
そう呼ぶ声が聞こえた。
...その名前で呼ばれるのは好きじゃない。
「...何」
僕を呼び止めた女子生徒は不機嫌そうな僕に一瞬たじろいだ。
「...あ、あの、先生の都合で今日の放課後、急遽生徒会会議が...」
「...あー、分かった。すぐ行くから。」
女子生徒はわかりましたと言って、ぺこりとお辞儀をしてからそそくさと去っていった。
「...カラ松ごめん。今日は一緒に帰れなくなった。」
「...んー、じゃあ図書室て待っでるべ。まだ帰りたぐないだよ。」
がっかりさせたのではと思っていたが、特に気にも止めていないそぶりだったから少し安心した。
「そっか、わかったよ。早目に切り上げられるようにするから。」
うん!と嬉しそうに言って図書室の方へかけていく。その姿を見送って、僕も生徒会室に向かった。