番外
□happy valentine's day
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波の音
船の汽笛
「……ん??」
youはゆっくり目を開ける
「おや、気がつきましたか」
真っ先に目に映ったのは異国の紳士
「貴方は…ってちょっと‼この縄解いてください」
ようやくyouは自分が縛られていることに気がついた
「駄目ですよ、貴女はポートマフィアの情報員。持っているだけの情報を話してください」
「お断りします」
youは目の前の男をしっかりと睨みつけてふいっと顔を反らせた
その隙に周りの様子を確認する
どうやら海沿いの倉庫のようだ
周りには紳士を含めて5人ほどの黒ずくめの男
参ったなあ
中也さんに体術習っとくんだった…
どうしたものかと考え込んでいると
カチっと頭に銃が突きつけられる
「貴女が喋らないのなら殺すまでですよ」
上目遣いで紳士を見上げると不敵に笑っているのが不気味だ
「……太宰さん」
そう呟いて目をぎゅっと閉じた時だった
「you、ずいぶん探したのだよ」
倉庫の入り口に飄々とした表情で立っている見慣れた男
「太宰さん…!!」
「悪いけどyouは返してもらうよ」
その言葉と同時に太宰の後ろに隠れていたポートマフィアの集団が一斉に銃撃を開始する
「今回は引き上げます、いずれまた…」
紳士はそういいながら仲間に合図し裏口から引き上げていった