恋愛ストレイドッグス
□理想という病を愛す
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佐々城の考えでは、蒼の使徒の正体はテロリストであった蒼き王が実は生きていて本人かもしれないというものだった
「でも、蒼き王が生きているとしたら探偵社にどうしてこんな攻撃をするんです」
敦の問いかけに答えたのは佐々城ではなく太宰だった
「かつて蒼き王を追い詰めたのは、アジトを突き止めた国木田君だ。ま、いずれにしても周囲に警戒しておいたほうがいいねえ」
”佐々城さんも安全な所に匿わないと”
そう付け加えた太宰に国木田はばっと立ち上がり太宰の胸ぐらをつかむ
「それは許さんぞ太宰!!!誤診安全の為と言いくるめご婦人を部屋に囲い連日連夜に及んであんなことやこんなことを!!!!!!」
「君が想像しているようなことはしていないよ」
と太宰はめんどくさそうにいう
「初日に泊めた時も、私はyouの部屋に寝たし、当然指一本触れてない」
太宰のそんな言葉にyouは思わずほっと肩をなでおろす
そんな様子に気がついた太宰はニヤッと笑い言う
「you嫉妬してくれた?」
「しししししてませんよ」
真っ赤な顔でyouは手をブンブンとふる
”してたんだ…”
と敦は何かを察した顔になり、国木田はチッと舌打ちをした
ーーこれが太宰の作戦だったのか…
「ふーん…」
太宰は口角を少し上げて笑い、何かを考え込むように天井を見上げた
佐々城さんも笑ってるし真っ赤になってる自分が死ぬほど恥ずかしい
youは気持ちを落ちつかせようと紅茶を飲むと太宰の先ほどの言葉に引っかかる
「太宰さん、わたしの部屋に寝たって言いましたよね…??」
「ああ、寝たよ、いい匂いだったなあ」
以前、太宰は隙をみてはyouのベッドに横たわり枕の匂いを嗅いだりしていたので太宰を出禁にしていたのだ
「入らないでって言いましたよね…???」
「いいじゃないか少しぐらい…それよりyou、昨日国木田君の家に泊まったんだろう…??」
太宰が先程からyouに対して機嫌が悪かったのは、youが国木田の家に泊まったことが原因だ
「国木田君、youに逆に何かおかしなことしてないよね…??」
太宰は国木田の耳元で囁く
場合によっては容赦しないよ、と心の中で付け加えながら
「ば、馬鹿、youにそんなことするはずないだろ」
国木田の返事にふーんどうだかねえと太宰は腕を組み目を細めた
その間もyouは
「太宰さん!!きいてますか!!怒ってるんですよ!!」
と言い続けていた