恋愛ストレイドッグス
□女生徒の一日
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朝起きた時から頭がぼんやりするなとyouは思っていた
正確に言うと昨日からおかしかった
夕焼け見ただけであんなセンチメンタルになることなんて今までになかったし、こんなに頭が働かなくなることもなかった
ぼんやりしながらナオミとの待ち合わせ場所まで向かう
「おはようございます、youさん」
「おはようナオミちゃん〜」
手を振って笑うとナオミが驚いた顔をした
「youさん、顔が赤いですわよ?熱があるんじゃないですか」
そう言ってナオミの細っそりとした手がyouの額に添えられる
「ナオミちゃんの手冷たくて気持ちいい…」
「すごい熱ですわよ!帰った方がいいんじゃありませんか」
そう言ってナオミは心配そうに眉をひそめた
そうか、熱があるから今日頭が働かなかったのだ
そういえば昨日から体調がおかしかった気もするし、なんなら喉も痛い
なんで今まで気がつかなかったんだろう
「これ風邪かあ」
youがのんびり笑うとナオミがため息をつく
「いますぐ帰った方がいいです!送りますわ」
「でも、今日午前授業だし帰ってからすぐ寝るよ休みたくないし」
でも…と言いまだ心配そうな顔をするナオミに”大丈夫だよ行こう?”と言ってyouは学校まで歩き始めた
学校に着き、友達と話していると心なしか体調が良くなったような気がする
「youさん、それシャーペンじゃなくてお箸ですよ」
と授業中こっそりナオミに注意されたが
いつもなら真面目に授業を聞くyouが、授業中もぼんやりしているのをナオミは心配そうな顔をしながら眺めていた
「ーーyouさん次の時間理科室ですわ行きましょう」
そう言ってナオミと廊下を歩き始めたが筆箱がないことに気がつき、急いで教室に取りに戻ろうとしたその時だった
ぼんやりとしていた頭がさらに不鮮明になり、目の前が真っ暗になるのを感じた
ーーどさっ
自分が倒れた音だと客観的に考えている自分がいた
こんな漫画の主人公みたいなこと本当にあるんだ…とも
「ーーーーyou」
「ーーーyouさん」
遠くで自分を呼ぶナオミと友達の声がする
そこでyouは完全に意識を手放した