恋愛ストレイドッグス


□運命論者の悲しみ
2ページ/6ページ



国木田に「少し出てきます」と告げると、襲撃後を見越してか、大量の掃除道具のお使いを頼まれた



探偵社を出ると、メールの差出人の元に急ぐ


「中也さん」

待ち合わせ場所の喫茶店の前に行くと、小柄の帽子をかぶった男の人が見え、思わず小走りになる


「よおyou、元気だったか」

この人は、中原中也


youの兄である織田作之助の死後、太宰が過去を清算するため地下に潜る間youは兄の友人であった坂口安吾が働いていたポートマフィアの資金洗浄するための会計場で事務員をしていた





そこにたまたま中原が訪れたのがきっかけでそれから中原はちょくちょく身寄りがないyouを心配し、ご飯に連れて行ってくれた



たしか、太宰がポートマフィアを抜け清々しテンションが高くなった中原がたまたまyouの机の横を通り、中原の異能力が暴走し机にあった飲み物が全部youにかかってしまったのだ

慌てた様子の中原が
「悪りい」とひたすら言いながらyouの服をふいてくれた

―――全然大丈夫ですよ、そんなに誤らないでください

そういってyouが中原に笑いかけた気がする


「you、本っっっ当にすまねえ」
中原はyouの顔を見るや否や頭を下げる




デジャヴ?

そう考えながら
「よくわかんないけど、とにかく中に入りましょ」
そういって謝り続ける中原を強引に喫茶店に押し込んだ
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ