恋愛ストレイドッグス
□有頂天探偵社
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隣で歩く人
わたしの小さな手を握る大きくて細い指の手
顔はぼやけてよく見えない
ーーーお兄さんの名前なんていうの
『私かい、私の名は太ーー…』
そこでぱっと目が覚めてしまう
「……だれの夢を見ていたんだい」
「たしか…初恋の人の夢で…ってえええええ!!なんで太宰さんわたしのベッドにいるんですか!!!」
いないはずの人が隣にいる恐怖
太宰さんは、少し掠れる声で”おはよう”と言ってわたしをぎゅっと抱きしめた
「ん〜いいじゃないか、私たち付き合ったんだし」
そうだ、先日わたしは太宰さんに告白して人生で初めて両想いになった
「って!!そんな話じゃありません!」
意味がわからないし、それより心臓がもたない
端正な太宰さんの顔がすぐそばにありさっきからドキドキしぱなしだ
「照れるyouも可愛いねえ、大丈夫なにもしてないよ。昨日眠れなくて君の部屋で君の寝顔みてたらいつの間にか寝ちゃってねえ」
「意味がわかりません、不法進入です」
「それより初恋って…?」
「…小さい時の話です。兄さんを探してたら迷子になって家まで男の人が届けてくれました。顔は覚えてないけど…って!話逸らしてもそうはいきません、今日朝ごはん抜きです太宰さん!!」
「ひどいなあ〜」
ぶつぶつと文句を言いつづけている太宰を無視してyouはぴしゃりと言い放ったのだった