恋愛ストレイドッグス


□羅生門と虎
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もし、太宰さんを無事に見つけ出せたら

ーー太宰さんにきちんと自分の気持ちを伝えなきゃ



兄さんや子供たちの様にいなくなってしまうかもしれないのだから



もう、自分が救えたかもしれない大事な人を失うのはいやだった







そんなことを心に決めながら、youは、横浜の街を一心不乱に走った



目指すのは、ポートマフィアの基地


乱歩さんの推理によると、基地の中にある煉瓦造りの建物の地下室に太宰さんはいるはずだ




すぐに、ポートマフィアの基地を囲う大きな柵が見えてきた

出入り口には黒いスーツを着たマフィアが立っている



you一度目を閉じ、一度深呼吸した









『you』

わたしの名前を優しく呼ぶ兄さん




ふと、目の前に浮かんだのはyouが小学校の入学式の日光景だった


「お友達できなかったらどうしよう…わたしポートマフィアだし」


そういってピカピカのランドセルをぎゅっと握りしめて俯くわたし

そんな、様子のわたしの頭を兄さんは優しく撫でる




『大丈夫だ、youならやれる』


それだけ言って微笑む兄さん







そこで、youは目を開いた



ーー大丈夫、わたしにはやれる

もし、途中で異能力が切れたら

わたしの異能力を無効化するようなことがあれば


不安は尽きなかったが、その時はその時だ




ーーー能力名『星の劇場』


力を発動させると、youの周りの時が全て止まる




それを確認すると、youはポートマフィアの基地に足を踏み入れた
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