恋愛ストレイドッグス


□蒼の使徒
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ここは探偵社近くの大衆酒場

太宰と国木田は珍しく2人で酒を飲み交わしていた


はあと太宰はため息をついた


「なんだ、辛気くさい」

「いやなにね、youが熱出した時あったじゃない。その時つい手が出てしまってね」


その言葉に、国木田は迷わず独歩吟客を発動させようと手帳にペンを走らせる


「落ち着きたまえ国木田君、ただちょっとキスしただけなんだ」

「おおおお落ち着く??!これが落ち着いていられるか、youのファーストキスだぞ???それを貴様が…」

国木田は相当お怒りなのか拳を震えさせている


「でも、youはね、きゃーとか言うと思ったら『え』って言われただけだよ。これは夢だと言ったら納得して寝た。それに、その後も忘れたのか知らないがいつも通りなのだよ。どう思う国木田君、やっぱり私のことなんて眼中にないんだろうなあ」



youらしい
「若干ズレていてすぐ人の話に納得するのは織田作似だなあ」
と太宰は国木田に聞こえない声で呟いて目を細めた

国木田は、自分を落ち着かせるために酒を一口飲み、太宰をみた


いつも飄々とした太宰が普通の片思いをする少年のような寂しそうな顔をしている
その顔に、国木田は太宰に言いたかった言葉を噛み潰した


「どうしたらyouは私の気持ちに気がつくんだろう」


「貴様が少しyouから離れたら何か変わるんじゃないか」

何を言っているんだ俺は
と国木田は思った
これでは、まるで娘のように思うyouと太宰の仲を取り持つようじゃないか
しかし、太宰のそんな顔を見た後では口出しせずにはいられなかった


”毎日一緒にいたら兄妹と変わらんだろう”と続けると

「それだよ国木田君!!!流石だ!!よし、早速試してみよう」



と太宰は目をキラキラさせて国木田ににじり寄ったのだった
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