恋愛ストレイドッグス
□或る爆弾
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まだ寝ていたい…
時計のアラームを消しながら寝不足の原因を考える
そうだ、昨日はあの後敦さんを寮に運んで、そのあと太宰さんたちはその足で飲みに行ったんだ
誘われたが明日学校だからと丁重にお断りしたんだっけ
ぼんやり昨日のことを考えながら
セーラー服に身を包む
朝食の準備をして、2人分の朝食を食卓に並べ、残りを弁当に詰める
同居人の男ーーー太宰治はまだ寝ているのだろう
昨日、夜中に帰宅する物音を聞いたのを思い出す
youが太宰と住み始めたのは、太宰とyouが探偵社に勤め始めた時だ
その時、寮はちょうど満室で仕方なく同居を始めた
幸いにも、部屋は別室であり国木田と社長が、太宰が何かしでかすのではないかとyouを心配してスタンガンが置いてある
まあ、そんなことがなくても太宰とはやましいことはなにもない
きっと、太宰の恋愛対象じゃないんだろう、わたしは
太宰のとは、昔から知っているしこの兄弟のような関係がyouは気に入っていた
youが味噌汁をすすっていると部屋の扉が開く音がする
「グッドモーーーニーング!!!!you、今日も自殺日和だね」
訂正だ
こんなハイテンションについていけない
だいたい、自分より早く帰ってきたくせになんでこんなに元気なんだこの男は
それに、自殺日和なんてものはない
「おはようございます太宰さん」
睡眠不足で少々不機嫌なyouは太宰を見ずにため息をつく
そんなyouにお構いなく、席に着くやいなや太宰は、興奮気味に昨日寝ないで発見したという自殺法について熱く語り出す
そんな太宰に適当に相槌をうつと、時折
「本当に聞いているのかい、you?」と確認して来るから厄介だ
朝食を食べ終わるやいなや、いち早く自殺方を実践したいのだろうすぐに太宰は立ち上がった
「ごちそうさまでした、では、早速自殺してくるよ」
「行ってらっしゃい、死なないでくださいね」
「なにをいってるんだ君は、自殺なのだから死ななくては意味がないだろう、行って来るよ」
そんなことを言いながら太宰は、玄関の鍵を開け、出て行ってしまった
朝から騒がしかった
だいたい、自殺という言葉に驚かなくなってしまった自分が怖い
少なくとも常識があるのが自分の取り柄だったのに…
そんなことを考えながら、準備をする
「行ってきます、兄さん」
といつものように立てかけてある写真の中の兄とその周りを囲む子供達に言い、部屋を出た