恋愛ストレイドッグス
□女生徒の一日
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探偵社にいち早くついた太宰は今日どんなにyouが変だったか国木田に説いていた
「というわけなのだよ」
「貴様がそんなことをするなら普通だがyouだと心配だな。貴様なにか毒でも飲ませたんじゃいか」
突如、社長室のドアが開き福沢が出てくる
「皆、聞け。緊急事態だ」
その言葉に言い争っていた太宰と国木田も口を紡ぐ
お菓子を食べていた乱歩も食べるのもやめた
敦は並々でならない福沢の緊張感に顔を強張らせた
なんだろう、重要な仕事?
また僕狙われてるとか?
敦の心の中で不安が渦巻いた
「只今学校からyouが倒れたとの連絡が入った」
その言葉に敦ははあ?という顔をする
いや、youのことは心配だ
しかし、ポートマフィアの襲撃にも動じなかった探偵社が現在この慌てようだ
顔色をいつも変えない福沢ですら目が泳ぎ国木田は万年筆を折った
それだけ心配なのだろうyouのことが
「そこでだ、保護者である私が学校に迎えに行きたーーー…」
「社長?今日重要な打ち合わせがあります。まさかキャンセルなさるおつもりじゃ??」
「ーー...と言うわけで、誰かyouを迎えに行って欲しい」
その言葉に、社員一同一斉に手をあげる
「俺が行こう、俺は社長の次にyouの保護者に当てはまる」
「国木田くん、前youが怪我したとき学校に乗り込んで行って”モンスターペアレントみたいで恥ずかしいからもう来ないで”って言われてたよね」
にやっと笑っている太宰に国木田は言葉に詰まっている
「妾が行くよ、妾は医者だこういう時一番適任だろう」
「僕が行くよ、誰か道案内して」
「僕が行きますよ〜」
まあ、こんな感じだ
その様子を敦と谷崎は苦笑いしながら見ている
「当然私がいくよ、私はなんたってyouの同居人だからね」
自信満々に胸に手を当てている太宰に向かって各方面から様々なヤジが飛ぶ
「貴様が一番信用ならん」
「風邪のyouに手ぇ出す気だろう」
このままでは収集がつかないので、では、あみだくじで決めてはどうだろうと太宰が言い出した
敦は固唾を飲んで行方を見守っていると、あみだくじを作り始めている太宰と目があった
ーーすごい悪い顔してる太宰さん…
きっとなにか自分が勝てる仕掛けを作っているのだろう
そう言いかけたところで太宰は”なにも言うな”と言うように器用に敦に向ってウィンクした