*現代ぱろのお見合いネタ
骸×ディノ
「………」
「………」
特別に設けられた一室で実に気まずい雰囲気が立ち込めていた。
「…すまないが、名前は?」
「六道骸ですが」
そうだ。実際会うのはお互い初めてで今日縁談の前に聞かされていた名前だった。
じっとマジマジと頭のてっぺんから足の爪先まで見渡しても、欠点らしき欠点も見つからない、とても綺麗な人なのだが。
自分の眼や、頭が正しければどこからどうみても男にしかみえない。
「…もう一ついいか?」
「はい」
「…男?」
「貴方には女性に見えるんですか?」
とっても綺麗な笑顔で言われて、ぶんぶんと首を降ると「でしょう?」とにこやかに微笑んだ。
そして、俺も男なわけで、…おかしい。
日本ではお見合いというものは、男同士でするものだったろうか。
「…リボーン…どういうことだ?」
隣りで我関せずと静かにコーヒーに口をつける男に肘でつついて訳を聞こうとする。
「なにって…お見合いだぞ」
「どこがだよ!!」
しれ、という本日のお見合いを突然言い渡してきたリボーンに俺は怒ってつい声を荒げてしまった。
「…ごめんなさい…」
「いいえ…」
静かに微笑む相手がこわい。
「本当は…」
相手がゆっくりといった。
「本当は、僕の妹が今日ここに来る予定でした」
「は、はぁ…」
えーっと。
妹ということはつまり女性なわけで、ということはやはりこれはお見合いだったのか。
とにかく相手は普通に女性なわけだから酷く安堵する。
やはり男は無いよなーなんて思ったけど、でも、来る予定だったはずの妹が来ていないなら、これは破棄されたということじゃないのか。
「…聞いてますか?」
「あ、いや…」
自分の思考にふけってしまったために相手の話は当然聞いてなんかいなかった。
「…まぁいいでしょう…ということですので、行きましょうか」
「へ、は?!どこにっ!?」
「じゃあな、ディーノ」
聞いていなかった自分が悪かったわけだが、だけどなにかもう少しなにか説明をしてほしい。
そんなディーノの叫びはリボーンの一言によりサッパリ切り捨てられる。
「良かったな、結婚が決まって」
「はあああ!?!!」
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