07/11の日記

23:55
ドキッ!*骸ディノ
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ピンポーン♪

ガチャリ

「よ、よぉ…」

「こんばんは、跳ね馬」


インターホンを律義に押してきたのは、骸だった。
いろいろ内部抗争や、反対勢力等の暗殺があったものの、相変わらず悪運が強いのか、それとも骸の戦闘能力が素晴らしいのか(コイツ、十年後の世界で鍛えてきてないのにッ!)わからないが、長期の仕事終わりだというのに、顔色はあまり変わっていない…というか元から青白かったのか、なにはともあれ元気そうだ。

「…あの、幻術使うのやめね?心臓に悪い…」

避暑地で一人静かに暮らしていただけに。
画面越しにはただの観光客みたいな感じだったのに、扉を開ければ骸だった。
しかも、痛いほどに照り付ける太陽の陽射しも意に介さないのかこの男はスーツで涼しく立っているのに目眩が起こりそうになる。

「僕だと分かったら居留守使うつもりだったくせに」

「…………」

どうやらディーノの行動は看破されてるようだ。

炎天下の中、ずーっと外に居させるわけにも行かずディーノはしぶしぶ骸を中にいれた。

「随分と手狭な家ですね」

「そうか?…避暑地だからそんな大きくない方が良いと思って」

「しかもキャバッローネも知らない物件ですしね」

「ぅぐ…なんでそれを…?」

「貴方の部下に泣き付かれましてね。最近ふらりと書き置きだけ残して消えてるそうじゃないですか」

「まぁ…」

「珍しいです。貴方がそれほど仕事嫌いだとは…少し前ならキャバッローネのためなら、と。もしかして潰す覚悟を決めたんですか?」

「なんでそんなに嬉しそうなんだ!こら、やめろ!武器をしまえ!」

「…だったらなんですか?」

「えー…まさかお前、ツナたちの味方か?」

「ボンゴレにも追われてるんですか?」

「…その言い方だと俺、犯罪者みたい」

「犯罪者じゃないですか」

「まぁ、そうなんだけどよ」

「で?」

「え?」

「なぜ誰にも知らせず、しかも暑い時期にこんな暑いところで、避暑…?」

「…うーんとだな…」

「ま、別に僕としてはどうでもいいですが」

「え…ツナたちに言われて来たんじゃねぇの?」

「ただの興味本位で来ただけなんで」

「あ、…そう」

「それと、雲雀恭弥にあいましたよ」

「き、恭弥に?!」

「ちょっといろいろと細工をしましたので、ここに辿りつくのに三日は掛かるかもしれませんが」

「なにしたんだよ!…いや、ここはさっさと逃げるべきか…」

「本当にどうしたんですか?貴方らしくない」

「らしくなくていーのッ!」

チャリ、引き出しから鍵と財布、置いてあったバッグを片手に慌ただしく家の中を走りまわる。

時折、とんでもない音が聞こえてきて、また骸の部屋に戻ってきたときは、服がボロボロになっていた。


「俺がここに居たこと言うなよ」

「…無駄だと思いますよ」

ぐちゃぁ、散乱した室内を見渡して骸がいうと、ディーノはよく分かってないのか首を傾げる。

「それじゃ、」

「ええ、行きましょうか」

「は!?」

「なかなか、面白い状況じゃないですか。理由は知りませんが、僕も貴方の逃走劇に付き合いますよ」

「あのなぁ、遊びじゃないんだよ」

「今の貴方じゃ誰にでも捕まってしまいますよ?いいんですか?」

「俺はこれでも…」

「それに、復讐者の牢獄から抜け出した実績もあります。」

「…確かに…」

すぐに捕まったけど。

「そうと決まれば行きましょうか。ボヤボヤしてるとボンゴレに空港全て止められてしまいますからね」

ディーノより先にスタスタと颯爽と歩いていく骸を、慌てて追いかける。


ズダ!


「よく今まで逃げ延びてきましたね」

見事なこけかたに骸は感心しつつ、手を貸してやる。
ディーノはその手を取りながら、ぐちぐちとなにか言い訳をしていたが骸の耳には入ってはこなかった。

背後から痛いくらいの殺気が全身を貫いていたからだ。

「おや、随分と早くあそこから抜け出せましたね」

「殺すッ!!」


海も割るくらいの殺気と殺気の押収にディーノはただぼーっと眺めていることしかできなかった。

(今止めに入ったらさすがに死ぬ!)


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「僕と愛の逃避行をしましょうか!」

と骸しゃんに言わせて見たかったですが、残念です。
雲雀さんは出す予定全然無かったんですがいつの間にか出てきちゃいました!!

二人きりにさせてたまるか!とこのあとついていきそうですね!!

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