06/27の日記

22:25
ないしょないしょのひみつごと*骸←←ディノ
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*はちみつトーストさまよりお借りしてます。





「おや、また貴方ですか、」

ふぅ、と呆れながらではあるが律儀な骸はそれでも出迎えてくれる。

俺は嘘の笑顔をはりつけて、保護者面をし純粋なまでの少年に近付いていく。

「元気そうで良かったよ」

「貴方も相変わらず、のようですね」

骸もまた本心からの笑みではないことを知っている。

「キャバッローネは相当暇なようですね」

「そんなこというなって…だってさ、ボンゴレの正式な守護者になったんだろ。おめでとうって一言いいたくなってな」

「クフフ…僕にとっては不名誉なことこの上ない」

骸の一時的なアジトには相変わらず、薄暗いなと思った。
なぜかれはこうも廃墟を好むだろうか。

彼はボロボロのソファから立ち上がり、カツン、と革の靴のよい音がする。首筋に当てられたのは、槍だった。

「さあ、キャバッローネ10代目話は終わったようですし、お引取りを…?」

冷たい声音に胸に刺がささる痛みがはしる。

きっと今の俺はうまく笑えていないかもしれない。

仕方ないことだと分かっていた。
骸はマフィアを憎んで、今もまだマフィアを殲滅している。

「…クロームたちは、元気か?」

骸が脱獄してからクロームたちとはあえずじまいだった。
きっと骸が彼らを俺から遠ざけているのだろう。
あまり知られてはないが、骸は仲間思いなのだ。

「骸、俺は…」

「やめてください」

「骸…?」

「跳ね馬のいいたいことは分かっています。
僕のことが好きなんでしょう…?」

「…っ、分かって…!」

「実に分かりやすかったですよ。貴方の瞳は随分と情熱的ですからね。それでよくマフィアが務まりますよ」

「…それで…?」

「貴方は僕になにを差し出せますか?」

「は?」

「ファミリーですか?それとも貴方自身ですか?」

「えっと…」

「結局は貴方の思いはその程度のものなのですよ」

「…骸、ちが、」

「さあ、早くこの場から立ち去りなさい」

「…骸…」

「跳ね馬、もうすこし僕に対して警戒したほうがいい。こうして独りで会いにきては…僕に殺されにくるようなものですよ…?」

「お前になら殺されても構わない…」

ぎゅ、と拳を握り締める。

真っ直ぐに冷たく見つめらる瞳に侮蔑がありありと孕まれていた。

それにもまた胸が痛む。骸は本当に俺のことが嫌いなのか、


「本当につまらない。貴方に興味はありませんよ。殺す価値などない…キャバッローネはボンゴレがなければ、」

骸は言葉をとめて、クスッと音をたててあざ笑う。

「……ッ、また来る、」

たとえ相手にされなくても、骸とわずかにつながるボンゴレという細い糸を頼りに会いにいく。

ボンゴレを利用し彼に会いにいく俺は、とても卑怯で。

分かっていても骸に会わずにはいられない。

俺は泣きそうな顔を見られたくなくて、踵をかえした。



* * *



「さあ、隠れているのは分かってますよ…出て来なさい」

「…ふっ、さすがは霧の守護者だ。キャバッローネとつながっているという噂はデマではないようだな。」

「その呼び方はやめろ、本意ではない…それに、僕と彼は『ボンゴレ』という繋がり以外、なにもないですよ」

「ふはは!随分とあからさまに否定する。やはり、大事なようだな、キャバッローネが」

「…君はそれを知ってどうするんですか?」

「俺みたいなやつは沢山いるさ。キャバッローネはアイツが就任してから随分と大きな顔をするようになった。」

「フフ、つまりキャバッローネの勢力が大きくなり、堕ちてしまった弱小マフィアですか。」

「ぐ…アイツが、出てくるまでは、俺たちのファミリーが三番目だったんだ…!!若造ごときが…!!」

「…………」

「霧の守護者の別の顔はマフィアの復讐者…キャバッローネがお前に他ファミリーの情報を流している、といえば」

「彼は裏切り者として、ボンゴレから追われる立場になる」

「ふふ。まぁ、どうしてもってんなら、俺がアイツを買ってやってもいいがな…顔はいいから高く売れるだろう」

「随分と稚拙な…いや、それ以上に醜い」

「なんだと…!」

「どういうつもりかは知らないが、そんなことでキャバッローネを失脚できると思っているなら相当おめでたい。キャバッローネとボンゴレは、君なんかが考えている以上に深い関係なのだから」

「なぜそういえる…!」

「おや、君は知りませんでしたか…キャバッローネが傾きかけたころ、ボンゴレが凄腕の家庭教師を送ったことや、キャバッローネは知りませんが、経済的に苦しいときもボンゴレがほんの少し援助していたこと…そして、ドンボンゴレからも、その守護者からも、彼は愛されているんですよ」

手にしていた槍はいつの間にか、男の胸に深く突き刺さっていた。

痛みが全身を巡るよりはやく、男は地面に倒れてこんだ。

「…ぅ、ぁ…」

「さて、君は随分とバカにしていたが。
彼は君たちと比べ物にならないほど、美しく汚れをしらない存在…こんな薄汚れた世界の中でも、…君たちが決して汚して良い存在ではない…さて、」

ゆっくりと近付いて、男の頭を鷲掴み、

「君には、最期の最期まで苦しんでもらいましょうか…」


悪魔のような笑顔を堪えて。




君はしらない、知らなくていい。

そして、なにも知らずに僕に会いにくればいい。



君を利用するもの、邪魔な存在は僕が消してあげましょう。

それが僕なりの―――




ないしょないしょ

ないしょのひみつごと



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なんだこれ!(笑)
骸←←←ディノを一生懸命考えて、いつもは骸さんがディノさんをスキすぎて〜でしたから、今度はディノさんが骸さんを、というコンセプトのつもりでしたが…!

骸さんがディノさんをとことん嫌う、っていうお話を目指したつもりだったのに(-"-;)

やっぱりディノさんはみんなから愛されてるんだね!っていう私の心をつい、現したようです!!
いや、ディノさんはみんなから愛されてますよ!だから、みんながディノさんきらい!ってならない!!

だって、なんだかんだいいながら、みんなディノさんと仲良しですもんね!

失礼しましたー!

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