駄文A
□未定
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「なぁ、知ってるか?怪盗ひばりん」
「…知らないこともない」
「だよな!有名だからな!」
ベンチでへらへらと笑うディーノと無表情のきょうや。
対照的な二人に行き交う人たちはちらちらと二人をみるも、気付いていないようにディーノは空を見上げた。
「…意外とひばりんって強いんだなー」
「え?」
「んー…なんか強かった。」
ハハハと笑うディーノにきょうやという少年は、やはり無表情のままだった。
「それだけ?」
「えー、あ、そうだな」
歯切れの悪い言葉に眉をよせるが、それ以上話すこともないきょうやは無言のまま立ち上がると。
「じゃあね」
とっとと行ってしまう。
「きょうや、またな!」
へらへらとディーノは笑ってきょうやに手をふると、きょうやはふっと微笑していってしまった。
「なーんかまた会う気がすんだよなー。」
真直ぐに前だけをみて歩いていく少年の後ろ姿を見送ったあと、ディーノは公園をあとにした。
「ボス、あんま言いたくないんだけどな、遅いぜ?」
公園から家まで一時間と離れていないはずのディーノが家に着いたのはそれから三時間後で、ディーノが公園の中でぐるぐると同じところを何度も行き来するのを偶然通りがかった骸に家まで送りとどけてもらったころにはあたりはすっかり陽が沈んでいた。
ディーノは申し訳なさそうにしゅんと落ち込んで謝った。
「また迷ったときは僕を呼んで下さいね。また駆け付けてみせますよ」
「本当にありがとな、骸!」
「お願いだからあんまりボスを甘やかさないでくれよな」
はぁとため息をつくロマーリオだった。
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