*BOOK/文

□学生達の日常
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太宰と乱歩は幼なじみだった。



小さい頃からずっと一緒にいた。

親がいなかった2人は孤児院で生活し14の時に孤児院を出て二人暮らしを始めた。

孤児院の院長──福沢諭吉さん─が知り合いに頼んで普通よりかなり安い値段で買わさせてもらったマンションは
かなり広いうえに内装も凝っていてあまりそういうものに興味をもたない乱歩はともかく太宰はかなり気に入っていた。


まぁそんな感じで2人はずっと一緒に生きてきたのだ。



自然に幼なじみ以上の感情─恋心───をもってしまうのも仕方ないと言えるだろう。


そう、太宰治は江戸川乱歩に恋をしていた。



幼い頃はザンギりにした短い髪でズボンを履き外を駆け回っていた彼女も


16歳になった今では性格はそこまで変わらないものの腰したまでのばした綺麗な黒髪の美少女へと成長していた。


そして彼女は自分が周囲にどの様な目で見られているか理解していないのだ
彼女に後から抱きつかれる度に自分がどれだけ我慢を強いられることか。



太宰は好きになった相手に恥ずかしがって告白をしないような性格をしていない。
しかし、乱歩は自分を恋愛対象としてみていない。
そんなことは分かっていた。
だからいつか、いつかと告白を先延ばしにしているうちに大事件が起きた。




それは文豪学園──2人が通う高校からの帰り道。
突然乱歩が発した言葉だった。


「太宰、僕彼氏できた」

………なんて?


「すいません乱歩、よく聞き取れなかったのでもう1度言ってもらってもいいですか?」

そう、きっと聞き間違いだ、ありえない、ありえない。

「だから!僕に!彼氏ができたの!」

…あぁ…いい川がこの近くにあったんだよね…勢いが強くて多分あれだったらいい具合に死ぬことが出来そうな気がする…

「ちょっと太宰?聞いてる?」

「あ、はい聞いてます。あそこの川はいい川ですよね」

「は?」

つい思ってた事を口に出してしまっていた。

「えっと…乱歩、彼氏…とは?今日できたのですか?相手は?」

「そう、今日できたの。告白されてね、まさか両想いなんてこの僕でさえ気づかなかったよ!相手は────」


相手の名前を聞いた私は殺気を放ち相手の家へ向おうとしたため乱歩にとめられた。


アイツ…乱歩に好意を抱いているのはなんとなく気づいていたが…まだ国木田くんや敦くん…は鏡花ちゃんがいるからダメだけどそこら辺の方がよかった。


まさか………中也が乱歩と付き合うとは…


中也と私と乱歩は中学からの付き合いで中高と同じクラスだった。
元々仲は悪かったがお互いが乱歩に好意を抱いていると知ってからは更に拍車がかかった。


今では会う度に殺し合いをする仲だ。








なんとしても、アイツから乱歩を引き離さなければ。









これは少し変わった学生達の普通の日常の話である。

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