短編小説集
□赤羽業:夏服の罠
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赤羽業:夏服の罠
思い掛けず華奢な腰のラインとか…
透き通るような白い肌とか
有り得ないくらいの
熱ーー…熱ーー…熱…
健全な男子中学生なら素直に喜べるそれらのモノ…
それが意識している彼女のものなら、尚一層俺の心を乱してくる…。
『カールマ♪見てみてー♪夏服似合うー?』
衣替えの日、彼女は露出度が増えた制服を身にまとい、軽そうなスカートを嬉しそうに翻してみせた。
業「目に毒。近寄んないで。」
『酷っっっ!!!』
俺の心は乱される。
『カルマに一番に似合ってるーって言ってもらいたかったのにな。』
シュンと項垂れながら、彼女は俺の背中に額をくっ付けてきた。
いつにも増して、彼女の素肌の熱が俺の背中に伝わってくるのを感じる。
ヤバイ…
ヤバイ…
ヤバイ…
業「名前…ココ学校なんだけどー。」
『ん?分かってるよ?』
業「分かってて誘ってんの?」
『はい?!』
あんたの行為は世間一般の男子中学生の我慢の限界を…
理性を…
簡単に崩壊させるくらいの力があるんだよ…。
だから、俺は名前の耳元で囁く…
「放課後、覚悟しといてね。」