短編小説集
□赤羽業:お化け屋敷
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『カルマ…ほんとに…入るの?』
「当然っしょ。俺はこのために遊園地に来たんだから。」
ジェットコースターでは、みっともない姿を見せてしまったけれど…
形勢逆転。今度は俺が主導権を握らせてもらうよ。
業「ココのお化け屋敷さー……。出るんだってー。」
『…で、出るって何が!!?』
業「んー?ホンモノが……♪楽しみだね、名前♪」
『いーやーだぁぁぁぁー!!!』
俺は涙目で訴える彼女を無視して、腕を掴んで中に入っていった。
薄暗い建物内は外気温差を感じるくらいひんやりしていて、思わず肩をすくめてしまいそうになる。
『ぅぅぅぅ…。か、カルマ手離さないでね?!』
「クスッ…はいはい。」
ビクビクしながら歩を進める名前に俺はちょっと悪戯したくなった。
業「あっ!」
『(ビクッッッ)えっ?!な、何?!』
業「今そこに人影が…」
『う…嘘ッッ…?!』
業「ほんとだよ。ほら、ヒトカゲ♪♪」
俺は今流行りのアプリ画面を取り出して見せる。
『……ポ……ポ〇モンGO……。』
「ね?居たでしょ?ヒトカゲ♪」
『こんな時に、止めてよ!バカーっ!』
「あはは、ごめんごめん、まさかそんなにビビられるとは思ってなくてさー。
……安心しなよ…。何があっても俺が傍に付いてるからさ。」
俺が名前を抱きしめれば、彼女は必ず静かになって顔が赤くなることを知っている。
『…カルマ…///』
ほらね。本当に可愛いんだから。
業「ほら、行くよname2!」
『ちょ///腰に手を回すと歩きづらい!』