非日常の詩ー[詩.ポエム]

□目を閉じたら「おはよう。」
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name


自分の名前が嫌いだった
両親から付けられたはずの名前を好きになれなかった
ある日、自分の名前の由来を知りたくて
小学6年最後の記念に皆で作った卒業文集を開いた

きほの「季」の意味は、一年は四つの季節に分けられている。
その四つの季節に通じて元気でいるようにつけてもらいました。
また、きほの「穂」の意味は、筆先の穂という意味もあり、
字や絵がうまくなるようにつけたそうです。
最後に、お母さんとお父さんの感想を聞いてみました。すると、
いつも明るく元気でのびのびと育ち、心の豊かなやさしい子に
育ってほしいといってくれました。うれしかったです。

なんだこれ? いつ読んでもおかしくて笑えてくるじゃん...
特に最後に書いた両親からの願いみたいなやつなに?
いつも明るく元気? 元気どころか常日頃から生ける屍だって
明るさの欠片も残ってないのにそんなの求められても困るよ
心の豊かなやさしい子って...全くの正反対すぎて呆れてくるんだけど
それにまさか自分の文集に『豊か』って文字使ってるなんて...いや
彼の名前とは漢字も意味も違うから全然関係ないんだけどね
それでも何だかほんのちょっとだけ浮かれ気分になる私はバカだ(笑)

『特に季の字の由来とか素敵、穂の方も繊細かつ丁寧な
きほちゃんらしくていい。私は季穂って名前は鮮やかで柔らかい
イメージを感じて良いと思ってたんだぜ! 自然的な感じするしさ。』

ったく、コンプレクスでも名前でも好き放題言ってくる彼女には負けるわ。
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