夢日記ー[文]
□交わした約束
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*プロローグ*
ー交わした約束ー
それはどんなに手を伸ばしても届かない
ひらりと空へ舞い上がる桜の花弁
それは開くことを許されない
幾重にも重なり絡み続けた鎖の螺旋扉
私は叶うことを許されない恋に落ちた
あの日友達は「彼のことが好きなんだ」
と、頬を赤らめながら私に話してくれた
その時はまだ彼のことを何とも思っていなくて
「応援するよ」と一言、元気付けた
「ありがとう。絶対約束だよ」
「うん、分かってる」
この約束が後にどんなに自分を苦しめる
『罠』に変わるとも知らず
そう、私は次の日友達が好きな人を
好きになってしまった
いや、その時は多分まだ好きではなかった
ただ少しずつ、彼を想う日が増えていった
...それだけなんだ
本当にそれだけでよかったのに