非日常の詩ー[詩.ポエム]

□白いアネモネ
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人魚とイリス


気付いたら そこにいた
太陽の光 降りそそぐ楽園
幻の光景 南国の孤島
ハワイのよなエメラルドグリーン
海面を漂いながら浮かぶ私
波風にさらわれた黒髪をそっととく

「なんて温かい場所なんだろう」
ふと誰に届くでもないそんな独り言
目の前の木々や森たちは思考をかき消した

突如 異和感を覚えた私の下半身
うつ向き 水中から見える姿は魚のヒレ
2足歩行だった足は硬い青のウロコで覆われた
まるで おとぎ話に出て来るようなマーメイド
そのヒレが偽物・作り物とは気付かないで

「ハロー人魚姫。気分はいかが?」
どこからともなく虹色の美しい羽根を纏う
異質でどこか神々しい雰囲気を漂わせた女性
すぐさま警戒し「あなたは誰なの?」と問い正した
そして彼女は言った。『私は虹の女神イリス』...と。
ギリシャ神話の知識は人並みにあった。本を読んで知った
だからこそ信じられない。本物の女神様が私の前に現れたなど...
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