非日常の詩ー[詩.ポエム]

□愛憎狂騒曲
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冥界迷宮ラビリンス


冥界 そこは死者の魂行き交う場
屍集う 地獄迷宮
少年少女 老若男女 死ノ山散々と
業火に燃えるは 虚象の『縁』
度重なる罪人の螺旋[ラセン]
響き渡るは『後悔』か『懺悔』か

「夢々、お忘れ無きよう...」

そう語るのは黒髪赤瞳の若い女
そんな彼女もかつては極普通の人間だった
ただその血を流したような真っ赤に腫らした目を除けば
彼女はここの監督者であり責任者
いつからいるのか 何故そこにいるのかは誰も知らない
ただ適性者として選ばれたのだと本人は言っていた
なんで人間であったはずの彼女の瞳孔は赤々としているのか
それは過去の記憶とある人への深い執念が影響しているらしい

「人間は人間として当たり前のように現世に存在している」
「世界にとって全宇宙にとって皆様の存在そのものが罪であり罰なのです」

あれじゃまるで自分達の...いや、自分の存在が罪だと言ってるようなもんだ
いったいぜったい何が、誰が彼女をそこまで突き動かすのだろうか
あの子を底まで追い詰め、苦しみ、もがき、絶望の端まで堕とすのか
あの目は人を恨み、人を憎み、人を妬み、人を愛することで創られるのか

彼女は誰にも言えず癒えない傷を1人で抱え込み今を生きている
血の涙をその両目と心から人目に付かない世界で流しながら
そうして今日もモニター越しからその赤黒い瞳で罪人達を見つめ続けている
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