非日常の詩ー[詩.ポエム]

□忘響雨歌
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愛の相反性


愛の反対は無視だと誰かが言った
ならば僕の愛は間違っているのだろうか
君を愛する程に劣等感が生まれ
君を愛する程に自己嫌悪になり
君を愛する程に憎悪に蝕まれる
恨み・怨み・憎しみ・憎む
憎い...憎い憎い憎い憎い
僕は君の全てが君の心が
僕に優しくし思いやった全ての時がただ憎い
憎しみに染まった僕の心は
きっともう誰にも止められない

勘違いするなよ僕は君を
最初から君を...愛してなどいない
前にも言ったが僕は君が憎くて仕方ないんだ
けど本当は憎たらしい程愛しているんだ

反対に言えば愛しているから憎いんだ
君の瞳に映る全てのものが
君の耳に入る全ての音や声が
君の鼻を通る全ての良質な香りが
君へと向けられる好意的な視線が
君が感じるそれら全てをどうか
どうかほんの少しだけ僕に分けてくれないか?
君が愛したものの数だけ
僕を愛してほしいなどと望むつもりはない

僕は多くを語らなければ君に多くを望まない
ただ僕と同じ様に君も僕を憎むだけでいい
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