IFについて-[見解.考察]

□記憶障害
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原因による分類

健忘は様々な病態および症候の総称であり、いくつかの観点から分類ができる。

心因性
心的外傷やストレスにさらされたことでおこる健忘。精神病理学的には解離の一種に分類され、解離性遁走や譫妄と合併することも多い。脳に器質的な障害はみられない。

外傷性
頭部外傷をきっかけとしたもの。

薬剤性
精神作用のある薬剤の使用によるもの。飲酒によるものが体験されることが多く、睡眠薬・抗不安薬によるものもよく知られる。

症候性
全身疾患の症状としての健忘。コルサコフ症候群、正常圧水頭症などでは代表的な症状である。

認知症(痴呆)
認知症で健忘は必発であり、初期からみられる。また、神経の変性疾患で健忘そのものが症状である疾患もこれに分類される。


時間的関係による分類

前向性健忘
受傷などをした時点以降の記憶が抜け落ちる状態。記憶障害回復後の出来事を記憶できない症状。記銘、すなわち新しい物事を覚えることができなくなってしまう状態。

逆向性健忘
受傷・発症より昔の記憶が抜け落ちた状態。ある時点から過去、昔の記憶がなくなってしまう症状。記憶を呼び出す想起の障害つまりある地点から遡っての記憶が引き出せない状態のこと。

その他
薬剤性のように、薬剤が有効である間の記憶がない場合は、睡眠薬であれば「中途覚醒時健忘」などと表現することがある。


思い出せない記憶の内容による分類

全健忘
健忘の期間内の記憶すべてが思い出せない状態。

部分健忘
期間内の記憶のうち、思い出せるものと思い出せないものが混在した状態。
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