いちご牛乳の君

□6パック目
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次の日。

学校に行くと、葵君たちの姿は既ににあった。



「おはよう。」
「おー。おはよー」


卯月君はいつも通り眠そうだ。


「ね、葵君。」

教科書を机の中にいれながら、さっそく昨日調べたことを話す。

「葵君はさ、誕生花って調べたことある?」
「前に調べたことがあったけど、もう忘れちゃった。」

おお、調べたことがあったとは。
さすが葵君。


「私ね、昨日調べてたんだ。そしたら、葵君と私って、同じ誕生花があったんだ。」
「へえ。何ていう花?」
「クレマチスってやつ。花言葉が『美しい心』でさ。葵君にぴったりだなと思った。」
「ええっ。そんなこと…」
「いやいや。卯月君もそう思うでしょ?」
「んー。そーだなー。」
「もう、新まで…。あ、ところで、綾ちゃんの誕生日っていつなの?」
「4月10日だよ。」
「そっか。じゃあ、4月10日の誕生花って、他にはどんなのがあるの?」
「サクラとか。花言葉は『純潔』とか『優美な女性』とかでさ、私とは程遠いなって思って笑っちゃった。」
「そんなことないよ。」
「え?」
「綾ちゃんらしいと思うな。」

葵君がすごく真剣な顔でそんな嬉しいことを言ってくれるものだから、恥ずかしくなってしまって。
顔が火照っているのが分かる。


「あっありがとっ。」
「いっいえいえ。」


なんともいえない空気になったところで、チャイムが鳴った。

HRの後、一時間目が始まる前に、我が親友、恵里佳がニヤニヤしながら私の席まで来た。

「おーおー。さっきは皐月君とイイ感じだったねえ。」
「そんなことないしっ。」
「何の話してたの?」
「誕生花の話。」
「ほお。」
「昨日調べてたんだよね、自分の誕生花。それで、葵君と同じ誕生花があったから、その話を…」
「ふーん。」
「でもさ、彼氏とかができたとして、誕生花とかその花言葉とか知っててくれたら嬉しくない?」
「分かるー。花言葉とか知った上で花をプレゼントされたら、惚れ直すわー。ま、私の彼氏にそんなロマンチックなこと求めても無駄だけど。」
「そうでしたそうでした。恵里佳には既に彼氏いたね。」
「悪いねえ。でも、綾は美人だしいい子だから、すぐに彼氏くらいできるって。気になる人とかいないの?」
「……いないよ。」
「あっれー。何、今の妙な間。…なるほど、いるんだね、気になる人。」
「いないしっ。…授業始まるから席に戻りなよ。」
「はいはい。後できっちり聞かせてもらうからねー。」




どうやらお昼休みは尋問タイムになりそうです。
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