いちご牛乳の君

□5パック目
2ページ/3ページ


そして放課後。

次の曲の構想を練りながら帰る。


最近は、内気な主人公が一歩踏み出して夢とか恋を叶える、といった内容の曲ばかりが思い浮かんでくる。

二、三曲そんなのがあってもいいとは思うけれど、そんな曲ばかりというわけにもいかない。



ふと、花屋さんが目に入る。


「花屋…花…花言葉…」
これだ!、とひらめくものがあった。


よし、今度は花を題材にして曲を作ってみよう。


そう決めてからは、さっさと家に帰り、PCで花言葉とかを調べたりした。



その中に、気になるものを見つけた。



「誕生花…?」

そう。誕生花、というものが存在するらしい。


自分の誕生日、4月10日の誕生花を調べてみると…


「アイリス、アスター、イチジク、クリンソウ、クレマチス、ゲッケイジュ、サクラ、チューリップ、チェイランサス、ツルニチニチソウ、ディモルフォセカ、パンジー、ブルーレースフラワー、リナリア…こんなにあるんだ。しかも、クレマチスは葵君の誕生花でもあるんだ。」

特に気になったのはサクラとクレマチス。
なので調べてみると…

「へえ。サクラの花言葉は、優れた美人、純潔、精神美、淡泊、優れた教育、美人、純白、高尚、精神的な美しさ、私を忘れないで、優美な女性、心の美しさ、か。私とは縁のない言葉ばっかりだわ。」

あまりにも無縁すぎて笑ってしまった。
でも、サクラは嫌いじゃない。

「で、クレマチスは…精神的な美しさ、旅人の喜び、策略、安全、高潔、たくらみ、美しい心、許されぬ恋、精神の美、創意工夫…」


美しい心、なんかは葵君らしい、と思った。
明日言おう。


許されぬ恋、か。私にぴったりの花じゃないか。



それにしても、花言葉って面白いな。


それに、彼氏が誕生花とかその花言葉とかを意識してプレゼントとかくれたりって、ロマンチックで憧れるな。

まあ、私には縁のない話だけれども。





夜、宣言通りに葵君からメッセージが来た。
なので、当たり障りの無いように返しておいた。


卯月君もLINEやってたりするんだろうか、なんて。

ああ、また卯月君のことばっかり。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ