short story

□ココロからのエールを(チェレン)
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「なにか、あったんですか?」

いきなりの言葉に驚いたのか目を見張った後
たっぷりの時間をおいて



「よく気が付いてたね」

「すっきりしたような顔をしていたので…違いましたか?」

「ううん、当たりだよ。さっきベルが来たんだ」

「金髪の、人ですよね。…ベルさんって」

「あれ、二人は知り合いだったの?」

「いいえ、そのさっき入り口ですれ違ったんです」

「そっか…ははっベルに相変わらずチェレンは頭が固いって言われたよ。たとえ私みたいなろうとしても絶対になれないともね」

「そんな…ことは」



チェレンさんはわたしを見てふるふると首を左右に振る


「…チェレンは私じゃないから。なにより、チェレンにはチェレンにしかないいいところや私に真似できないことがたくさんできるから欲張りだって

そんなことをしなくてもそのままでいいんだって…そう言われたらなんだか心が軽くなったんだ。

ほんと…ベルったら」


ずっと曇っていた空が太陽をのぞかせるような声音だった
でも、反対にわたしの心の中は雨がしんしんと降り始めたように冷えていた

たくさん考えて自分なりの答えを見つけた。でも、チェレンさんの悩みを晴らしたのはさっきすれ違ったベルさんで…


ああ…でも、しょうがない、かな

だって誰であろうと大好きなあなたが哀しい顔をしないで笑ってくれるならそうさせたのが自分じゃなくてもいい



「チェレンさん…」

もう必要ないかもしれないけど拙い、わたしなりの精一杯の心からのエールを


少しでも、あなたの笑顔の力になりますように

どうか、あなたが笑顔でいられますように
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