『黒子のバスケ』
□『第2話』
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誠凛高校が練習を始める前に監督の周りに集まって、次の練習試合の相手校が海常だという話を聞いていた。
すると、いつもは聞こえない女子特有の黄色い声が聞こえ、周りを見るとたくさんのギャラリーと女子の集団があった。
さすがに、監督の相田リコも驚いている。
「あーもー。こんなつもりじゃなかったんだけど…」
誠凛が声のする方を見ると、女子に囲まれながら苦笑するキセキの世代“黄瀬涼太”がいた。
「あの、すんません、、えっと、5分待ってもらっていいスか?」
そう言って黄瀬は自分の周りに集まったファンの子達にサインを渡していく。
そして5分後、、、
黄瀬のファン達がいなくなって静かになった体育館で日向が疑問を口にした。
「何でここに?」
「いやぁ、次の相手、誠凛って聞いて黒子っちが入ったの思いだしたんで、挨拶に来たんスよ。中学の時1番仲良かったしね。」
そう言って近づいていく黄瀬を黒子の一言が止めた。
「普通でしたけど、、、」
ひど!と言いながら泣き真似をする。
「黄瀬涼太、中学2年から始めるも恵まれた体格とセンスで急成長を続けるオールラウンダー。」
誠凛の生徒が雑誌を読み上げ、中2から始めた事に驚きの反応をした。
「その記事は大げさなんスよ、中学時代も俺が1番下っ端だったんスわ。」
謙遜する黄瀬の耳に聞きなれた凛とした声が聞こえた。
『あたりまえよ。それなのに、こんな所まで来て練習の邪魔するなんて、馬鹿なの?笠松先輩、不機嫌で大変だったのよ。』
誠凛はいきなりの美人の登場に顔を赤くし、黄瀬は怒られているにも関わらず嬉しそうな顔をして駆け寄った。
そう、まるでご主人様を見つけた犬のように。
「日和!!迎えに来てくれたんスか!」
『何を喜んでいるの。誠凛の皆さんも練習の邪魔をしてしまってすみませんでした。』
誠凛に向かって綺麗に頭を下げる日和に日向達はうろたえる。
「い、いや、全然邪魔じゃないですから!」
「そ、そうよ、だから頭を上げてください!」
日向とリコに言われて頭を上げた日和の視線は黒子に向けられた。
『君が黒子くんよね…。』
微かに確信めいた言い方と、人一倍影が薄い黒子に話しかけた事で、黒子も瞳に驚きを見せた。
「あなたは、日和さんですよね。」
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