狐憑きと異界

□屋敷の不思議
1ページ/4ページ

骸「これからどうすのだ秋歌。あの者たちと共に暮らすか?」
秋歌「背に腹は代えられない。諦めてここに住もう。」
骸「ふむ、それもそうか。いく宛があるわけでもなし、良かろう。」
秋歌「…ようやく見つけた安寧の地と思っていたのだがな。」
骸「まあ、あの者たちと関わらなければ良いのだろう?」
秋歌「近くに居るというだけで結構嫌だがな。」
部屋に籠っての生活を続ける僕ら
だけど、僕の言葉を無視して部屋の近くまで来る者が多数居るわけで

秋歌「いい加減鬱陶しいのだが。何かようか、チビ。」
?「!あっ、あの!」
そう声が聞こえたと同時に殺気を滲ませる骸狐
それを止めると不満げな顔を此方に向けた
秋歌「手は出すな。…お前は誰だ?」
?「あ、秋田藤四郎です。」
秋歌「あぁ、あの桃色の髪の子どもか。それで?僕の言葉を忘れた訳じゃないだろう?」
秋「えっと、少しだけ話がしたいのですが…。」
秋歌「それは部屋に入れろということか?」
秋「い、いえ!このままで大丈夫です。」
秋歌「…用件はなんだ?」
秋「…一緒にご飯を食べませんか?」
秋歌「僕は言ったはずだが?君たちと関わるつもりは毛頭ない。」
秋「お、お願いしますっ!」
秋歌「…。」
その秋田という神は襖越しに土下座をする
ここまでされたらさすがに困る
僕はため息をつくと立ち上がる
こちらを見上げる骸狐は険しい表情をしている
だから安心させるように微笑む
そうすれば彼には伝わるから
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ