狐憑きと異界
□屋敷の不思議
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骸「これからどうすのだ秋歌。あの者たちと共に暮らすか?」
秋歌「背に腹は代えられない。諦めてここに住もう。」
骸「ふむ、それもそうか。いく宛があるわけでもなし、良かろう。」
秋歌「…ようやく見つけた安寧の地と思っていたのだがな。」
骸「まあ、あの者たちと関わらなければ良いのだろう?」
秋歌「近くに居るというだけで結構嫌だがな。」
部屋に籠っての生活を続ける僕ら
だけど、僕の言葉を無視して部屋の近くまで来る者が多数居るわけで
秋歌「いい加減鬱陶しいのだが。何かようか、チビ。」
?「!あっ、あの!」
そう声が聞こえたと同時に殺気を滲ませる骸狐
それを止めると不満げな顔を此方に向けた
秋歌「手は出すな。…お前は誰だ?」
?「あ、秋田藤四郎です。」
秋歌「あぁ、あの桃色の髪の子どもか。それで?僕の言葉を忘れた訳じゃないだろう?」
秋「えっと、少しだけ話がしたいのですが…。」
秋歌「それは部屋に入れろということか?」
秋「い、いえ!このままで大丈夫です。」
秋歌「…用件はなんだ?」
秋「…一緒にご飯を食べませんか?」
秋歌「僕は言ったはずだが?君たちと関わるつもりは毛頭ない。」
秋「お、お願いしますっ!」
秋歌「…。」
その秋田という神は襖越しに土下座をする
ここまでされたらさすがに困る
僕はため息をつくと立ち上がる
こちらを見上げる骸狐は険しい表情をしている
だから安心させるように微笑む
そうすれば彼には伝わるから