旅人の休息2
□誰そ彼
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私はずっと待ってる
貴方が言ったから…
その日も何時も通りだった
彼は仕事に出掛ける前、少し笑いながら「行ってくる。」そう残し扉を開けた
私はずっと待ってる
貴方との約束だから…
朝も昼も夕も夜も
片時も貴方のことを忘れずに待っているのに、未だ帰ってきてはくれないの
ふと外に出たくなり、扉を開けた
辺りは橙色に染まってて切なくなる
前を見れば何時から居たのか影が立っていた
夕日を背に立つその影に私は「貴方は誰?」と問う
その影は不意に少し笑うと「もう俺のことを忘れたのか?」と
近づくその影は紛れもなくあの人で
伸ばされた手を迷わず掴んだ
ああ、貴方は生きていた
きっと海の見える丘に家を建てていたのでしょう
そして私を迎えに来てくれた
貴方はこれから夢であった物書きをその家でするのですか?
貴方の夢は私の夢でもあります
だから、私は貴方の側にいきます