煌めくいしの旅路

□ココロの行方
5ページ/5ページ

漸く落ち着いた彼は、目の前で自分を見下ろす青年に声を掛けた
勿論、現状把握のためである

?「あ、あの?貴方は一体何者ですか?気が付いたら此処に倒れてましたけど…。」
?「知らない。彼女の望んだ結果だ、僕はそれに従うだけ。」
?「彼女?あ、それってもしかして昨日僕が助けた女の人ですか?」
?「僕が此処にいると言うことは、そういうことだろう。」
?「?付かぬ事を聞きますが、彼女とは一体どういった関係で?」
?「名も知らぬものに話す義理はないと思うが?」
敦「うぐっ、そ、それもそうですね。えっと、僕は中島敦と言います。貴方は?」
シ「シルバーだ。彼女はクォーツ、俺の守るべきもの。」
敦「守るべきもの?」
シ「これ以上話すことはない。知ったところで価値など有りはしないのだ。」
敦「…。(何だろうこの人とは話辛い)」

二人の間には何とも言えぬ空気が漂った
しかしそれも束の間、瑠璃が目を覚ましたのだ

瑠「うっ…ここは?…!クォーツ!っつ、何故シルバーが。」
シ「お前が不甲斐ないせいだ。人間何ぞに助けられるなど、それもクォーツまで巻き込んで。」
瑠「それはっ…すまなかった。」
敦「あ、あのー、貴方は?」
瑠「…。」
シ「名くらいは名乗れ。助けられた身だぞ。」
瑠「くっ…瑠璃だ。」
敦「シルバーさんと瑠璃さんですね。えっと、それでクォーツさんは何処へ?」
シ「…。」
瑠「…。」

その質問は答えられることなく空気に溶けたのだった


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ