君との出会い

□出会いその1
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「あっ…」

ヤバい、拾わなきゃ
貴「あぁぁッ!ごめんなさい直ぐ拾います」

こんな大勢が行き交う所で紙をばらまいてしまっては絶対に迷惑だ

中学校初日から嫌な印象を持たれたくない

「ご、ごめんね。驚かせちゃって」
掴んだのは声からしてもこの先輩だろう

貴「そんなっ!こちらこそすみません」

わたわたと宙に舞う紙をキャッチしようと手を振り回しながら謝る

「ふふっ…大丈夫だよ」


先輩も手伝ってくれたお陰で1分足らずで回収する事が出来た

貴「すみませんそこの紙…」

言いかけると笑顔で集めた物を渡してくれた
丁度先輩の近くに落ちていた紙で最後のようだ

「はいどうぞ
なんか面白い子だね大丈夫?」

初対面の人にまで言われた…
別に私は可笑しな事してないんだけどな

貴「アハハ…よく言われます」

「やっぱり?ところでさ、本好きだよね」

貴「あ、はい」
そういえばさっきも同じ事を言われたような

「そっか!じゃあうち等の部にはいらない?」

そう言って振り返ってテントを指差した
[文芸部]

「本が好きな子大歓迎!
小説を部から出す事もあるけど皆でやっていくから大丈夫だよ」

どうしよう…凄く魅力的なんだけどでも
貴「ちょっと他の部も見てからじゃないと」

「あー そっか…」

そ、そんなに明らかに落ち込まなくても
まだ入らないって決まった訳じゃないのに

貴「でっ でも見学しに行っても良いですか?」

見学だけでも嬉しいのか

さっきの落ち込み様が嘘のようにパッと笑顔に変化した


「もちろん‼」
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