君との出会い
□出会いその1
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貴「ここが帝光中学…」
綺麗な校舎に綺麗な校門、桜が咲き誇っていて綺麗ずくしで思わず私は息を飲んだ
ゆっくりと吸い込まれるように校門をくぐっていく生徒達も登校という名の背景の一部のようだ
貴「凄い…」
全てに圧倒されていると
プップー
とクラクションが軽くなった
貴「うわぁ、ご ごめんなさいっ」
腰を90度に曲げて逃げるように急いで校門をくぐる
けれども先程場違いな色を視界に捉えた気がしてすぐに立ち止まってしまった
それがいけなかった
「剣道部へ入りませんか?」「あ、そこの君是非とも吹奏楽部へ来てよ」「バレーやってみない?楽しいよ」
一人でも多くの部員を確保しようと気合いの入った個性的な勧誘紙が手渡されてしまう
次々とくる勧誘の声かけ
内心怯えながらハリボテの笑顔をつくって応対する
きっとよく見ればひきつっていることだろう
「良かったらはいコレ!」
貴「あ、ありがとうございます」
四方八方からくる呼び掛けに手も頭もいっぱいいっぱい
あぁ目が回りそう…
「あのさ本好き?!」いきなり腕にくる圧迫
貴「っ…!」
私は誤って貰った紙を全部ぶちまけてしまった