SHORT

□サプライズ
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「いつもの薬、頼むよい。」
俺はカウンターに金のつまった麻袋を置く

「これは、マルコさん。いつもありがとうございます。」
薬屋の主人はにこやかに応対する
「おい、紅…白ひげ様の薬頼むよ」
主人がカウンターの後ろ側に声をかけると
紅が顔を出す
俺を見留めるとクシャッと笑う

「マルコ!」
恥じらうことなく
嬉しさを全面に出している姿が
俺を待っていてくれたんだと
心をくすぐる

「裏に回ってくれる?前回頼まれてた点滴とか、チューブも倉庫にしまってあるの」
「はいよい」
俺は一旦正面から店を出て裏手に回る

すると建物の陰から
伸びてきた二本の腕に胸ぐらを捕まれ
倉庫に引きずり込まれるような体勢になる
壁に押し付けられると同時に
甘い匂いがしたかと思うと
柔らかな感触に唇が塞がれる
「びっくりした?」
イタズラな目付きで俺を見つめる紅
「…でもないみたいね?」
すでに俺に腰をしっかり抱かれ持ち上げられている紅はちょっと残念そうに言った

「ビックリしたよい」
「ホント?!」
「あぁ、こんなサプライズなら何回でもしてほしいねい」
「会いたかった!マルコ」

そういうと紅はまた
甘い香りを振り撒きながら
俺にキスする

「俺もだよい、紅。今日はこのままここでしたい気分だない」
「えっ…」
よほど意外だったのか言葉をなくす紅
「バカマルコ…」
真っ赤な顔してようやく呟いた言葉にますます昂る


「そんなに俺を夢中にさせてどうするつもりだよい」
その呟きは本人の耳に届いたのかどうか…

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