本棚  弐

□ミックスサンド 班マフィ調教編
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二ヶ月前に、友達のドンさんとその恋人に手伝って貰って俺の恋人をドロドロにした。
けれどまたすぐに以前のように騎乗位だけになった。
何度か無理矢理他の体位に変えたら、今度はセックス拒否!

家に来るが何かと理由をつけて日帰りするという…

正直欲求不満だ。
これから目眩くウハウハ調教ライフを送れるはずだったのに、この用途のない大量の玩具とたぎる性欲はどこに向けたらいいんだ。

…と悩むこと数日。
もうこれは強行手段に出るしかないと思い、前回に引き続きドンさんに物資と場所の調達を頼んだ。

フフフ………
今に見てろクソマフィア。
俺のちんぽ奴隷(ちゃんと恋人ですよ!)にしてやる。





これは、そう意気込む班長一松の可哀想な餌食にされるマフィア カラ松のお話。
















「………っん…」


寒気で目を覚ませば、最初に視界に移ったのは班長さんの家の天井だった。
自分の住むマンションとは違いシミだらけの天井を見上げて、まだ覚醒しきっていない頭で記憶を辿った。

昨日は班長さんとご飯を食べて、いつものようにセックス回避のために名残惜しいが帰ろうとした。
けれど珍しく酒を誘われ、二杯三杯と付き合っていたら急に眠気が来て……

「……ッ!!」

まさかセックスしたのでは、と焦り起き上がり自分の身体を見れば一糸纏わぬ姿。
つまり裸。
記憶のないうちにあらぬ痴態を班長さんに見せてしまったのか、と思うも。
事後特有の腰の痛みや下肢のダルさはない。
ということはセックスはしていないということだ。

「………」

ホッと胸を撫で下ろす。
正直俺は、班長さんの前で乱れるのが苦手だ。
いつもクールで格好良くいたいから…。
そうやって取り繕って本当の自分を隠していないと、不安で仕方ないんだ。
本来の俺なんて、何の取り柄も魅力もない。
だからせめて大好きな班長さんの前では、最高の自分で居たい。

俺はボスの恋人のように可愛くもない。
そんな俺が班長さんに甘えていいはずがない。

なのに…
なのに……

なぜ班長さんは俺を乱れさせようとするんだぁぁぁ…

「あれ、起きてたの」
「うおッ!!あ、ああ…グンモーニン班長さん」
「おはよ」

足を抱えて悶々と考えていると、玄関から班長さんが入ってきて驚く。

「これ、朝飯」
「ああ…ありがとう」

投げられたパンを手に取り、口に運んだ。
班長さんも同じようにパンを食べながら、コーヒーを作っていた。
あれ?そういえば俺の服は…?

寝る前には着ていたはずのスーツがない。
周りを見渡してもない。
おかしいな、と思っていると今度はコートが投げられた。


「食べたらそれ着て、出掛けるから」
「…………班長さん、俺の服は…」

投げられたのは薄手のトレンチコートのみ。
何かの間違いかと思い、聞き返すと。


「だからそれだよ。さっさと着なよ、時間ないんだから」
「………………わ、わかった」


有無を言わさない班長さんの態度に俺は渋々着ることに。
すると妙な薬を飲まされ、尻にドロドロとしたものを注入された挙げ句に妙な形をした棒(エネマグラというらしい)を突っ込まれた。
対して大きくないのに、尻の内壁の締め付けだけで前立腺を刺激されて息が上がる。
そんな俺にロングブーツを履かせると、班長さんは腕をひっぱり出掛けた。

こんな朝早くから。
こんな変態的な格好で。
どこに行くというのか。

文句の一つでも言ってやりたいのに、さくさく進んでいく班長さんのあとを追うだけで精一杯だった。






「…ッ…はぁ……嘘…だろ」

ついた場所は駅。
それも通勤ラッシュの時間だからか、ものすごい人の量だ。

「早くのるよ」
「えっ……ちょっ…」

慣れた風に班長さんは人の間をすり抜け、あっという間に電車に乗り込んだ。
もちろん中はぎゅうぎゅう詰め。
俺は班長さんに背を向ける形で壁に挟まれてなんとか立っていた。
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