本棚  弐

□ドSなお兄さんは好きですか?
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俺たちには秘密がある。

「この、クソ松!」
「ヒイッごめ、ごめんなさいぃッ」

他の兄弟には絶対にバラしてはいけないこと。

「おいおい、一松〜?お前それくらいにしてやれよ
カラ松泣いてるじゃん」
「おそ松…」
「チッ…」

胸ぐらを掴まれ半泣きになっていた俺に、助け船を出してきたのは兄のおそ松。
横槍を入れられた一松は不機嫌そうに部屋を出ていってしまった。

「お前ら一応付き合ってんだろ?
大丈夫なのかよ
さすがにお兄ちゃん心配なんだけど」
「そうだよ、カラ松兄さん
一松兄さんの暴力まで我慢することないんだからね」

ぽんぽんと頭を撫でながら話すおそ松に続いて、トド松にまで忠告されてしまった。
普段口を挟むことなんてないトド松なだけに、俺は慌ててフォローに回る。

「だ、大丈夫だぞ!
一松はああ見えて二人っきりのときは優しいんだ
俺のわがままも聞いてくれるし…
みんながいると照れてあんな態度をとってしまうだけなんだ」

言えば二人は渋々と言った具合に引き下がるも、納得はしていないようだった。
だがそれでいい。
端から見た俺たちの関係性を崩すことはしてはいけない。
それは秘密を不可侵のものにするため。

だからいいんだ。










みなが出払った後、俺は階段を登り一松の元へと向かった。
襖を開ければ、部屋の隅で蹲る一松。

「みんな出掛けたぞ
俺たちも出掛けよう……一松?、!!!???い゛、つッッッ」

反応のない一松に歩み寄ると、いきなり獣のように俺に覆い被さってきた。
俺の足の間に陣取る一松は、はあはあと荒い息を洩らしながら腰を振る。
まるでセックスでもするかのように俺の孔がある尻に向かって、かくんかくんと腰を前後に揺らす。
その度に衣服が擦れる音とも、ましてや肌が当たる音とも違う。
金具と金具がぶつかるようなかしゃんかしゃんという音がする。

「……カラ松、カラ松…おねがい、もう無理…」

さっきとはうって変わって、頬を紅潮させ涙ぐむ一松の姿に。
俺の下肢がずぐんと脈打つ。

「ん〜〜?一松、おねだりの仕方を忘れたのか?
ちゃぁんと言わないとダメだろう」

頬を撫で告げてやれば、一松の瞳が揺れた。

「ッ…カラ松兄さん…兄さんのおまんこに、僕の汚いちんぽいれさせて……これ…、これ取って……僕の汚い………雄豚ザーメン、種付けさせてください…」


下着ごとずらしたスウェットの下から取り出されたのは……
触ることも勃起すらできないように俺が取り付けた射精管理のための器具。

「いい子だ、一松
お前はいい子だから、まだ待てるな?」

一松は期待と絶望を込めた表情で頷いた。










あの後、わざと食事に連れ出しゆったりと散歩をしてホテルへと向かった。
部屋を選び、エレベーターに乗る。
点滅する灯りを頼りに部屋に辿り着き、扉を閉めてしまえば。
俺と一松の二人だけの世界。
つまり、俺が支配する世界だ。

「脱げ、一松」
「………へ?ここで?」


部屋に入ったばかり。
まだ靴さえ脱いでいない一松は呆けた顔で俺を見た。

「何してるんだ?
早く脱げ、そこでだ」
「…ッ…わかった…」

赤い顔で頷くと黙々と脱ぎ始めた。
あっという間に全裸…いや、射精管理の器具だけを身につけた姿になった一松は、期待で濡れた瞳で俺を見る。

「何を期待しているんだ?
ほら、ベッドへいくぞ」
「……ッ」

室内に向かい、思い出し後ろを振り返った。

「ああ、お前は雄豚だったな
だから豚ちゃんらしく四つん這いでおいで

「ッ………はい」


震えた声で返事をし、地を這う全裸の恋人にS心がくすぐられたのはいうまでもない。
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