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□可愛いあの子に首ったけ
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松野おそ松。



今、俺の膝の上には、地上に舞い降りた天使のように可愛くて愛らしい俺の恋人・カラ松が頭を乗っけています。


そう、膝枕です。



若い頃は(今も若いけど)、やわこいおんにゃの子の太ももに膝枕をしてもらうことが夢でしたが…


今となっては逆です。


膝枕されるより、したい!


俺の膝の上に頭と手のひらをちょこんと乗せて、スヨスヨと幸せそうに寝息をたてている恋人の寝顔を見るのが、俺の至福のひととき。



あ〜〜可愛い…



ツンツンとほっぺをつつけば、「ん〜」なんて無邪気な声を出される。



んんんんんんんんッ!
お兄ちゃんノックアウトされちゃった!



いや、もうされてたけどね!


ずっと前から!




一度、気持ちを落ち着かせるために天井を見上げる。




「……………」




うん、今日もお疲れ、天井さん。



よし!



気を取り直して、もう一度下を見る。




ああああああッ


妖精がいる!


色気と幼さを兼ね備えた妖精がいる!



天使!女神!



いや、むしろ俺を惑わす悪魔かも……



いやいや!


俺のカラ松に限って、悪魔はあり得ない!




だってこんなに可愛いんだから!





きっと悪魔だったとしても、堕天使だね。




純粋無垢な真っ白天使であまりにポンコツ(←誉めています)だから、悪魔に騙されちゃってレ○プされちゃったのね。



可哀想に…。



って、違う違う。




俺の可愛いカラ松は誰にも指一本触れさせない!



ああ、可愛い…



どうしてこんなに可愛いんだろう…





「おい、クソ長男」




こんな幸せな一時をぶち壊す、空気読めないシコ松。



「……ん〜?」



俺は顔を上げもせずに、返事だけする。



うん、俺って優しい。



「全部口に出てるぞ」



「……?」



意味がわからず、シコ松の顔をみる。


相変わらずイライラした表情してるなぁ



「おそ松兄さんってさ、カラ松兄さんのこと好きだよね」



するとトド松が横から口を挟む。



何を当たり前のことを、と思いながら優しい俺は説明してあげる。



「うん、大好きだよ〜
可愛すぎてどうしようってぐらい好きよ

毎日見てても飽きないよ
可愛くて可愛くて…」


「うん、わかった」



まだ思いの丈を半分も口にしていないのに、ばっさりと切り捨てられる。


なんなの、心臓がきゅってなるわ。



「ってか、ぶっちゃけ二人ってもうやってるの?」


「ゲッ、お前そんなこと聞くなよ

兄二人のセックスとか想像したくないわッ」

「僕!気になる〜!」


「…………………俺も」




トド松、チョロ松、十四松がしゃべり出す中、今まで壁際で黙っていた一松もポツリと呟く。




マジか、さすが自称カラ松ボーイ



「なんだなんだ

お前ら、そんなにお兄ちゃん達の話が聞きたいのか…」



「ヤったの?」



なぜか凄むように聞いてくる一松。



それを笑いながら流す。



「もちろんヤったよ〜」



「うっわ…」



「セクロス!」



「どっちが上なの?」


「え、ちょっと…一松兄さん、そこまで聞くの?」



一松の矢継ぎ早な質問に待ったをかけるトド松だが、顔は半分にやけていて聞く気満々だ。


それは引き気味のチョロ松も同じよう。



「フフン…どっちだと思う?」



だから少しひっぱってみる。



「うざ、さっさと答えろ」


「うん、早く教えてよ」



「一松兄さんはどっちだと思う?」


ぶーぶーとスマホ片手に文句を言う二人。


十四松がふと話をふる。
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