長編

□僕らの失敗作3
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『死ねよブス!!』

さすがに言い過ぎた。
言った瞬間、後悔しても謝罪の言葉は出なかった。
一枚のドア越しに響く那奈の泣声に、「泣きたいのはこっちだよ」と声を震わせた。




腕を振り払った事、思ってもない事感情に任せて言った事、何より『死ね』と言った事。
全てが俺を責めて、思考を停止させる。
行き場のないモヤモヤが膓を切り裂いて、膨張し続ける。


「っにやってんだよ!!」


殴った壁は、剥き出しの牙で俺の拳を血色に染めた。
こんな傷、好きな女を泣かせた代償としては小さすぎだ。











第三話

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