それでも“私“は生きるだろう
いつまでだって、この幸福(しあわせ)が、ずっと続くと思ってた。
楽しそうな両親と、せっせと口に食べ物を運ぶ、4人の兄弟と、6つ上の姉の彼氏。
彼氏さんは、どこか遠慮しているところがあるけれど、もう家族のようなものなのだから
遠慮なんて、しなくていいのに
と、俺は思ってた。
四捨五入すれば50代の両親
今年20になった姉と、その彼氏
まぁ、彼氏さんは、姉よりも年上なのだけれど
そこは置いといて
大学受験で、北海道に帰ろうと考えている、18の兄
俺の1つ上の、高校受験を控えた、14の姉
俺の4つ下の、小学4年生の弟
そして、男勝りだけど女の俺
という、この8人で、俺たちはクリスマスを楽しんでいた。
それが皆で過ごす、最後のクリスマスとなることなど知らずに
俺は13歳のクリスマスを過ごしていた。
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