マイフレンド A
□D
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そして目が覚めたのは昼前。
俺、工藤新一はさっきまで今世では絶対にあり得ない夢を見てしまった。
それで、恐る恐る自分の体を見てみると・・・。
「えぇっ?
何で俺が女に成ってんだよっ!」
そう。目が覚めたら俺の体は何と、女の体になっていたのだ。
「大きな声出してどうしたの?新一」
俺の叫びを聞きつけたのか、快斗が俺の部屋に入ってくる。
「みっ、見んなよ!
ってゆうか、何で慶斗さんが此処に?」
快斗と同時に部屋に入ってきた慶斗さん。その慶斗さんの後ろに、新ちゃんも居る。
「今朝、妹と共にお邪魔していたんですよ。快斗君から君が起きて来ないって聞きましてね」
「大丈夫?新一くん」
二人共オレが今日見た夢に出てきた、新と慶斗様にそっくり。
新ちゃんの掛けてくれた言葉が、自然に頭の中で変換されて
大丈夫?新一お姉ちゃん≠ノ聞こえる。
「快斗君、新。
少し二人っきりにしてくれませんか?」
「うん。じゃぁ、新一くんをよろしくね!」
「頼むぜ、慶斗さん」
新ちゃんと快斗は、慶斗さんに言われた通り、部屋から出ていき。
オレと慶斗さんは二人っきりになってしまった。
何か気まずいな・・・。
あんな夢見た後だから当然って言ったら当然だけど。
夢っていうか、何かリアリティあって前世みたいな感じだったし。
「新一さん、夢見ましたよね?」
「うん・・・。って、えぇ?
何でそんな事知ってるんですか?慶斗さん」
「いえ、前世の記憶が戻ると必然的に女性の姿に戻ると知っていましたのでね」
「・・・」
おいおいっ。
慶斗さんってやっぱり、今日見た夢に出てきたあの慶斗様じゃねぇのか?
だって女性に戻るって事、知ってるみたいだし。
だいたいあんな夢見たのって慶斗さんのせいじゃねぇのか?
「新一さんが思っていらっしゃる通り、私は前世でも黒羽慶斗。トランプ王国の第一王子です。
そして前世では貴方の夫として・・・」
「それだけはいうなよっ」
慶斗さんの口を塞ぎながら、男口調で言う。
今慶斗さんが言おうとしていた続きが、滅茶苦茶恥ずかしいんだよ。
だってな?
そして前世では貴方の夫として、新一さんの子供と共に幸せな家庭を作り上げていました
何て言おうとしたんだぞ。
「っそれはいいんですが。
新一さん、胸が丸見えですよ?」
いつの間にか、オレの手を自分の口元から手を離していた慶斗さんがオレの胸元を指さしながら聞いてくる。
オレは自分の胸元に目を下ろした。
・・・。
「ってめぇ、気付いてたんなら何で教えてくんなかったんだよ。
バーローっ!」
数秒固まってしまったけれど、オレは慶斗さんを怒鳴り散らす。
だってそれは、小振りながらにも胸が丸見えだったんだぞ。
怒らねえ訳ねぇじゃん。
「っとりあえず部屋から出ていって下さい。着替えますので」
「えぇ。
では、大事な話があるので出来るだけ早めに降りて来て下さいね」
言うと、ドアを閉めて部屋から出ていった慶斗さんを見送る。
ふと慶斗さんが座っていた椅子を見ると、オレ用に持ってきてくれていたのか下着とワンピースが置いてあった。
それに着替えながら、オレは慶斗さんが言っていた大事な話というのが何なのか考えていた
〜続く〜