マイフレンド A

□A
2ページ/2ページ

「母君が新一姫に聞くと、新一姫は心に決めた人が居ると言いました。
詳しく聞こうとしても、新一姫は首を横に振って、泣きながらごめんなさい、と言うだけで、答えようとしませんでした。
それはそうでしょう。新一姫が恋をしたと言うのは、そのマロン国と敵国の王子なんですから」

俺は目を閉じて眠れる体勢を取りながら、キッドが話している物語に耳を傾ける。
リアル過ぎて、まるで前世のような話で、夢に出てきそうだな。

「敵対している国、トランプ王国と言いますが、その王子もまた新一姫の事が好きでした。王子はこの何年にも続く争いを止めるために、マロン王国の王と女王、つまり新一姫の母君と父君、それから自分の両親を和解させようとしました。
王子達が向かった場所は新一姫の父君と母君、それから両親達の思い出の場所でした。
王子は、その思い出の場所で、和解してくれ、と頼み込みました」

俺は何故か急に眠気に襲われ、話の途中で眠りに落ちた。






私は新一が眠ったのを確認すると、新一の額に唇を落とし、自分の部屋へと戻る。

「これで記憶が戻ってくれればいいんですがね」

さっきまで私が話していたのは唯の物語ではなく、自分が覚えている限りの前世の記憶で、新一と私が愛し合ったという、確たる証拠であり新一が思い出してくれないと、私の姿は仮の姿のまま。

新一の記憶が戻りさえすれば、快斗と私の体は1つに、
そして新と新一の体が一つに戻る。
快斗と共存して生まれたというのは、ムカツクが、でも私の弟であり私自身の過去の姿なのだから、しょうがない。
でも、新一の妹である新が私の妹として過ごす事になった時は、正直今でも嬉しいものですね。
同時に、新一の兄として過ごす事になった快斗に激怒したのも事実。
私にとって新一は、前世から続く運命の相手だ。
絶対に私の元に戻してみせる。






〜あとがき〜
何か、慶斗さん視点にすると怖いですね。主な登場人物の中で唯一過去の記憶を持ってる慶斗さんなので、お気持ちもわかるんですがもうちょっと加減した方が良かったですね・・・。
あっでも、新一くんとは絶対にくっつかせますよ!
快斗君と慶斗君の体が、一つに戻るかは、内緒ですがね(゚∀゚)
新一と新ちゃんの事も勿論内緒ですよ?

そして、先ほど慶斗さんが言っていたことは本当です。

新一くんの双子の片割れは新ちゃんです。そして快斗君に慶斗君の弟ですね。


ややこしい設定ですが、次の話からは前世の話になります。
ここまで読んで下さった皆様、有難うございました。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ