マイフレンド A

□工藤が可愛過ぎてツライ @
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私は黒羽新。
慶斗お兄ちゃんと共に、アメリカから東京の米花町に引っ越して来ました。

引越しの際に持ってきた服などをタンスに仕舞い、カーテンをセットする。

そんなこんなで、慶斗お兄ちゃんと一緒に引越しの荷物を片付け、近所に引っ越して来た御挨拶をする為に慶斗お兄ちゃんに声を掛ける。

「慶斗お兄ちゃん、引越しのご挨拶行こう?」

「えぇ、そうですね。新、行きましょうか」

慶斗お兄ちゃん、やっぱり格好いいな。
黒羽慶斗お兄ちゃん。
両親と一緒にアメリカに住んでいた頃も、毎日の様に郵便ポストにラブレターが入ってるし。
学校でも超人気な、私にとっては自慢のお兄ちゃん。
頭もいいし、運動神経も良いんだよ?

さっきの受け答えだって、普通の人なら嫌な顔をしたりするみたいだけど、
慶斗お兄ちゃんは微笑みながら嫌な顔を一つせず答えてくれる。

ちょっと過剰評価し過ぎかも知れないけど、慶斗お兄ちゃんの事大好き!



そんなこんなで慶斗お兄ちゃんと、引越しの挨拶を殆ど済ませ、後は隣に住んでいる。
工藤さん家と、阿笠さんの家を訪問するのみ。

あっ、そういえばお母さんが言っていたっけ。

「ねぇ、慶斗お兄ちゃん。この工藤さんってお母さんが言ってた人だよね?」

「えぇ、そうみたいですよ。
母さんの旧友、工藤優作さんと工藤有希子さんの息子さん達が住んでるって言うのは」

「やっぱりそうだよね?
うちの両親に連れられて何回かあったことのある、あの工藤さん家だよね」

「えぇ。後はこの家だけですよ。新。
挨拶が終われば、新の好きな珈琲を入れて差し上げます。
勿論、レモンパイ付きでね!」

「やったー!じゃぁ、さっさと挨拶済ませちゃおうよ」

私は慶斗お兄ちゃんの言葉ですっかりご機嫌になり、工藤家のインターフォンを押す。

少しして、インターフォンから声が聞こえる。

『はい!工藤ですが』

「あっ、あの。黒羽と申しますが、今日引っ越してきましたので、その御挨拶に伺いまして・・・」

『ちょっとお待ち下さいね!』

そうして、少し待っていると私と同級生くらいの男の子が二人、玄関から出て来た。
二人の顔はすっごく似てるけど、くせっ毛の男の子の方はどことなく、お兄ちゃんに似ているかも。
格好良いし、性格良さそうだし・・・。

何て思ってると。

ポンと言う音がして目の前に青い薔薇が現れる。

「わぁ、お兄ちゃんと一緒でマジックが出来るんですね♪
あっ、えーっと初めまして。
黒羽新です。近所に引っ越して来たんで宜しくお願いします」

「同じく近所に引っ越して来た、黒羽慶斗です。妹共々、宜しくお願いします」

慶斗お兄ちゃんが私と同じ様に、引越しの挨拶を済ませる。

「後、これは私が作ったんですけど、良かったらどうぞ」

慶斗お兄ちゃんが手に持っていた、紙袋を手渡している。

「ありがとうごさいます。わぁ、レモンパイ何っすね。俺、レモンパイ大好きなんで」

「新一、取り敢えず、自己紹介しようぜ?」

「あぁ、うん。
俺、工藤新一って言います」

「俺は工藤快斗。新一の双子の兄貴です」

へぇ、工藤快斗君って言うんだ。
やっぱり格好いいな、快斗君。一目で好きになっちゃった!
それで、もう1人の方は工藤新一君か・・・。
私と名前が一緒なんだ。一があるだけで。

「もう少しでお昼時ですし、新一くんたちもお昼はまだでしょう。
私達も今からなので、ご一緒にどうですか?」

「良いんですか?」

「えぇ、どうぞ。
まだ引っ越してきたばかりなので、散らかっては居ますがそれでも良ければ」

慶斗お兄ちゃんが自然に微笑み掛けながら、新一君に答える。
いつもとお兄ちゃんの雰囲気が違うのは気の所為、かな?

そんな風に思いながら、慶斗に小声で問いかけて見る。

「慶斗お兄ちゃん、どうしたの?
さっきから、雰囲気違うよ?」

「大丈夫ですよ、新」

私に微笑みかけて言ってくれたので、私もお兄ちゃんに微笑んだ。





それから私達は、慶斗お兄ちゃんが作ってくれたご飯を食べた。

それでね、私あるキッカケで新一くんと仲良くなったの。
そのキッカケって言うのが・・・

「えっ?新一くんもホームズ好きなんだ」

「うん。小さい頃から、父さんの影響でね。
シャーロックホームズに憧れて、探偵になった訳だし」

「そうなんだね!私もシャーロキアンなの。それで、一番好きなシャーロックホームズの言葉は・・・」

『君を確実に破滅させることができれば、公共の利益のために、僕は喜んで死を受け入れよう』

新一と声が重なり、同じセリフを言っていた事に二人して笑う。

「ふふふ、やっぱりこのセリフが一番だよね」

「うん。シャーロックホームズとモリアーティ教授が滝つぼに落ちる前にシャーロックホームズがいうセリフが一番好きだな。
新ちゃんも、俺と一緒なんだな!」

「そうだね。私、多分モリアーティも結構気に入ってるんじゃないかな」

「新、レモンパイ出来ましたよ。おやおや、随分仲良くなったみたいですね」

キッチンで、私の為にレモンパイを作ってくれてた慶斗お兄ちゃんにいう。

「新一くんね、シャーロックホームズ好きらしくて」

「ほぉ、新が好きなあの名探偵のことですか。
それより新、珈琲を入れたので運んでもらえますか?」

「うん、分かった!」

キッチンでレモンパイを切り分けている慶斗お兄ちゃんの元に行き、トレイに乗せてある四つのカップを運ぶ。
中身は、私が好きな珈琲が二つ入っているのと、慶斗お兄ちゃんが好きなココアが入っている。

「新一君、珈琲かココアどっち?」

「俺は珈琲で良いよ。ありがとう、新ちゃん」

「ううん。じゃぁ、はい!珈琲」

トレイに乗せてある珈琲が入っている客人用のカップを渡す。
次に快斗君。

「快斗君は、ココアでいいかな?」

「うん、ありがとう。新ちゃん」

私が手渡したカップを、快斗君が微笑みながら受け取る。
それだけなのに、私は頬が赤く染まる感じがした。

そんなこんなで私達は、もう遅くなるから帰ると言う快斗君達を見送った。
慶斗お兄ちゃんは、これからご飯の準備をするって言うので、私もちょっとお手伝い中。

使った食器を洗っている慶斗お兄ちゃんが話掛けてきた。

「新、ちょっと話があるんですが・・・」
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