マイフレンド A

□デート
2ページ/2ページ

その後、快斗と一緒に食事を済ませた。ちょっと休憩使用と言うことで、広場に来ていた。

「ねぇ、快斗。知ってる?ここの広場で2時間毎に噴水が出るんだ。もうすぐ二時だから、一緒に」

「いいよ!」

広場の中心に一緒に行って、時計を見てカウントダウンを始める。

「10、9、8、7」

「6、5、4」

『3、2、1!』

途中から声が重なって、数え終わった途端、噴水が出た。俺達を囲む様に。

「快斗、綺麗だろ?」

「うん。本気綺麗。虹も出てるし!
あっ、そうだ。コーラで乾杯しよっか」

「うん!」

快斗が買ってきてくれた缶コーラを開ける。前みたいに噴水はしなかったが、少し泡が溢れた。

「快斗、じゃぁ乾杯」

「乾杯!」

缶コーラ乾杯して飲む。
一口飲んで、缶コーラを口から離す。

「んー、美味しい」

「良かった。新一もコーラ飲むんだね!珈琲にしようかとも思ったんだけど、こっちにして正解だったかな」

快斗もコーラを一口飲んで、口から離すとそんな事を言った。俺は少し驚きながらも、その後すぐ笑って頷く。

「そう言えば、言い忘れてたんだけど。服似合ってるよ!」

「ありがとう、快斗。快斗も相変わらず服似合ってる。格好いいし」

「本当?新一にそう言われると嬉しいなぁ!」

なんて言って笑う快斗に、俺も心から微笑んだ。

「ねぇ新一、観覧車乗らない?」

「乗りたい!」

じゃぁ行こっか、そう言って俺の手を取って歩き出す快斗と歩幅を合わせて歩いて目的地に向かった。



「案外空いてたね。直ぐ乗れたし」

「うん」

観覧車に乗り込み、狭い密室の中に2人。快斗の隣に座って、快斗と見つめ合う。

「新一ぃ、キスしていい?」

「えっ、・・・今?ここで?」

「そう。今ここで、新一とキスをしたい・・・。

駄目?」

快斗に見つめられて、顔が赤くなるのを感じながらも頷くと、引き寄せられてキスをされた。
触れるだけのキスから啄むようなキスへ。

「ん・・・ンンっ」

快斗の唇を舐めていた俺の舌を器用に絡め取って、口付けを深くされる。
数秒経って、名残惜しそうに唇を開放された。

「っ…ぁ。快っ…は、ぁ、はぁっ」

俺はギュッと快斗の服を握りしめ、必死で息を整える。

「新一、本当可愛いね」

快斗は俺に微笑みながら、抱き締めてくれる。



それから、観覧車から降りて気付けば夕方。

「新一、そろそろ帰ろっか」

「そうだな。もうこんな時間だし」

腕時計を見ながら、俺は答える。

「ねぇ、新一。新一の家に遊びに行っていい?」

「あぁ、いいけど」

「ありがとう、新一」

俺の手を取って笑って言う快斗に、俺も笑い返す。








そして快斗と一緒に、家に帰るとリビングに入った。家に帰る前に寄ったスーパーで買い物をした荷物をリビングに置く。
今日は、料理の上手い快斗が料理を作ってくれるのだ。

「新一は、珈琲でも飲んで待っててね?その間にすぐ作るから!
今日は鍋だしね」

「うん。分かった」

俺は快斗に言われた通りに珈琲をコップに入れて、リビングから快斗の姿が見える位置にあるソファーに座った。
鍋を棚から出して焜炉にかけ、キムチ鍋の素を入れている快斗の姿が見える。

相変わらずカッコイイなぁ、快斗!

「そんなに俺ってかっこいいかな?」

「えっ?なんで俺が思ってた事が分かるんだ?テレパシーか?」

「んーん、口に出てたよ新一」

「本気で?」

「うん、マジ」

口に出ていた事に顔が赤くなる。
あんな事、快斗に聞かれる何て滅茶苦茶恥ずかしいだろうが!
珈琲を飲んで気持ちを沈め、目の前に居る快斗を見る。

「あー、もうやっぱ格好いい。箸を持って具を混ぜてる姿とか・・・」

「新一?又声に出てるけど。俺そんなに格好良かったかな」

「うん。だって、俺快斗の事好きだから。どんな姿してても格好良いって思うんだからな」

快斗を見ながら素直に言うと、快斗が笑った。具を混ぜながら快斗が言う。

「俺も新一の事好きだよ。新一がどんな事しててもどんな姿でも、新一が好きだし可愛いとしか思えない」

快斗の告白に顔が赤くなるのを感じ、それを隠すかのように、珈琲を飲んだ。

「新一、ほら鍋出来たよ」

その後、キムチ鍋を食べて快斗とお休みのキスを交わした後、デートが終わった。
この日を境に、俺達が今以上にバカップルになってしまったのは言うまでもない。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ