マイフレンド@

□愛される花道C
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愛される花道C

「お帰り、どあほう」

家に着くと、家に来ていた流川が花道を迎え入れるかのように、玄関まで来てくれた。
花道は、ただいまと言うと取り敢えず中に入った。流川も花道の後を追ってリビングに向かう。

「どうかしたのか、どあほう」

流川は普段と様子の違う花道に声を掛けた。何時もはただいまの後頬にキスをしてくれるのだ。
だが今日はそれがなかった。

「・・・別れよう」

「・・・・は?」

「別れよう」

今度こそはっきりと言った花道。流川は絶句した。やっぱり自分ではなく、赤木を選ぶんだと。
分かっていた事だった。分かっていたのに、いや、分かっていた筈なのに、現実に言われると結構ショックを受けた。

「抱け、俺を抱け・・・」

「無理だ」

「なんで」

「俺はゴリが好き何だよ」

「そんな事知ってる。俺を赤木センパイだと思って抱けば良いだろ」

「すまねぇ。悪いけどお前じゃゴリの代わりにはならねぇ。お前をゴリの代わりに抱いたとしてもお前に未練を残す事にしかならねぇんだよ。
そんな事はしたくねぇから頼んでるんだ。
頼む、俺と別れてくれ」

花道は、流川に頭を下げた。元はと言えば自分が流川とこうして付き合ったから、流川が余計つけ上がったんだ。自分の気持ちごまかして、流川と付き合うことにした過去の自分を殴りたいと花道はこの時本気で思った。

流川はただ、黙ったまま涙を流していた。
いつかこんな時が来ると分かっていたはずなのに、つかの間の幸せにいつの間にか身を任せていた。
抱き締められて、キスをして、一緒に寝て・・・。流川にとっては、本当に嬉しかったのだ。
でももう、これから先そんなことは起こり得ない。

「わかった」

一言伝えると流川は花道の家を飛び出した。
流川がその後号泣していたのは言うまでもない。

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