マイフレンド@

□愛される花道@
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愛される花道@

「ルカワ、起きろ〜」

中々起きない流川に花道は体を揺すぶりながら名前を呼ぶ。
んーとはいうものの起きる気配無し。
こうなったら仕方が無い。

「起きねぇとチュウしねぇぞ」

花道が言うと、条件反射の様に起き上がる流川。起き上がった流川に御褒美だという風に口付けをする。

「おはよ、流川」

流川の頭をクシャっと撫でて笑いながら朝の挨拶をする花道。
流川も花道におはよ、と返す。

「飯作ったから食べよーぜ」

腹減ったー、と言いながらリビングに向かう花道の後を追うように付いていく流川。
リビングの椅子に向かい合うように座って用意してある膳に目を向ける。

「いただきます」

「いただきます」

手を合わせて言うと、ご飯を食べ始めた。今日のメニューはご飯、焼き鮭、野菜のあえ物、味噌汁、ふりかけと言う日本の和食。

「そいえば流川、もうちょっとしたらバレンタインだな。俺、頑張って作るから受け取ってくれよ?下手だけどな」

飯に手を付けながら、流川に話しかける花道。バレンタインがあるのは来週の日曜日だ。
そんなまだ先のことなのに、バレンタインの事を考えてくれている花道に頷きながら口元が緩む。

「流川からは特にお返しとかいらねぇからな。俺が好きでやってる事だしよ」

「いや、俺からも返す」

「まじで!?」

「そんなに驚くことでもねぇだろ」

「まっ、まぁな。・・・でもよ、今までそんな事1度もねかったろ?だから珍しいと思ってよ」

可愛らしい花道の態度に苦笑せざる終えない流川。自分の惚れた相手が可愛くないわけがないのだ。
花道に惚れているけれど、その花道には好きな相手が居ることを流川は知っていた。

名前は赤木剛憲。バスケ部の主将(キャプテン)だ。流川でも尊敬するぐらいのインサイドのプレイスタイルは抜群。男から見ても格好いいと思う人だ。男気もあるし花道が惚れても可笑しくないくらいに性格もいい。

流川とは大違いの相手だ。
今この一時の幸せが崩れ無いのか、1番心配しているのは流川だ。
今はこうして、花道の傍で恋人としているけれど、流川は不安だった。周りから見て些細なことだったとしても、今の流川はたぶん傷つく。自分と付き合ってくれると言った花道の言葉に嘘は無いんだろうけど、こうして毎日毎日一緒にいてご飯を食べて・・・それから一緒に寝て・・・。
そんな些細な幸せが少しでも続く様にと願うのは、少し欲張りなのだろうか。

「流川、どうしたんだ?」

心配になって流川の側に来てくれた花道に抱きつく流川。

「どうしたんだ?流川。今日は甘えん坊だなぁ」

そんな流川に驚いたが、バランスを崩さず流川を受け止めると、頭を撫でてやる花道。

「どあほう、・・・いいから今はこのままでいてくれ」

「わかった」

流川の頭をなで、頷きながら呟くようにいう花道。
珍しいとは思いながらも、自分に甘えてくれる流川を可愛いと思った。

☆続く☆

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