マイフレンド@

□身長差の恋
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「今日の練習はこれで終了!気をつけて帰れよー!」
冬の湘北高校体育館。俺は、キャプテンとしての勤めを終え皆を解散させると、俺も制服に着替え外に出る。
練習終わりで汗ばむ体に冷たい風が当たる。
冬とは言え、マジ寒い。吐く息が白いし。
「リョーちん」
俺を呼ぶ声と共にsyouhokuと書かれているジャージが俺の体に掛かるバサっとする音が聞こえる。
「寒ぃだろぉ?」
ズボンに手を突っ込みながら俺に話し掛けてくれる花道。
俺の背中に羽織るように置いてくれた湘北のジャージに腕を通す。
俺と花道とは、体格も腕の長さも違うから、ジャージも俺より花道の方がでかい。俺にとってこのジャージはぶかぶかだけど、ジャージから香る匂いとか、ジャージの大きさとか・・・、それから暖かさとか。
さっきまで花道が着ていたって言うのが分かって、嬉しく感じる。
このジャージは、花道そのものなんだぁってな。
「何だ?もしかして汗臭かったか?そのジャージ」
俺を振り返った花道が笑いながら聞いてくる。
「んなことねぇよ!ありがとなっ」
持ち前の脚力で花道の元まで走り横に立つ。
ジャージ(花道)の暖かさを感じながら、冬の道を歩いた。
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