マイフレンド@

□my sweet house
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俺の名前は桜木花道。高校の時あれだけ嫌ってたバスケに嵌り、今でもたまにバスケをしている。
高1の時、自分がαだと知って運命の相手・流川と出会い恋に落ちた。最初はそれこそ流川の方がバスケが上手いからお互いにぶつかって喧嘩ばかりしてた。だが、流川がΩだと知りお互いが運命の相手だと知ったことで急接近して、番になって・・・。
今では結婚していて双子の子供がいる。
子供が出来てからは極限仕事も頑張って定時には切り上げて帰る様にしていた。
そして今日も定時には帰ってきたのだが、楓が買い物に行ったきり帰って来ていないと言う。
「華花、楓太、母ちゃんどこ行くって言ってた?」
「花道君、華ちゃんや楓ちゃんに聞いても分かんないわよ?」
「あっ、お義母さん。華花と楓太を見てくださってたんっすね。お義母さん、楓買い物に行くとしか言ってなかったんすか?」
「そうよ。二時間前ぐらいだったかしら・・・」
二時間前に家を出て、今の今まで家に帰ってきてねぇのか?
俺を不安そうな顔で見つめる二人の子供を抱き締めて、大丈夫だ、と安心させる。
「俺が探してくるから、お前らはお婆ちゃんと一緒に待っててくれな?」
「うん。待ってる」
「ママ連れて帰って来てね?パパぁ」
二人とも目に涙を貯めながらも、強気な顔で言う二人の頭に優しく手を置いてやる。
「んじゃ、ぜってぇ楓を連れて帰ってやるかんな?」
「「うん!」」
俺は二人の気持ちを受け、家を出て流川を探した。

スーパーの近くを探し回っていると、ある細い通路を見つけ俺はその通路に入り込んだ。ここに流川がいるかもしれないと言う予感がしたからだ。
予感は的中。荒い息で座り込んでいる流川に声かける。
「楓、何でこんな所にいんだ?」
「ど、どあほう・・・」
ん?何かおかしくねぇか?
結婚してから楓が俺の事をどあほうっつったのは初めてだ。
俺は座り込んで、そのおかしい@摎Rを見つけ出すために楓に聞き出す。
「オメェ、自分の名前わかるか?」
「・・・流川楓」
やっぱりおかしい。・・・まさかこいつ、記憶を失ってんじゃねぇだろうな。
「オメェの呼び方、楓っつーより流川っつーほうがあってんじゃねぇか?」
「ん?」
驚いた顔をした後頷く楓。
やっぱりこいつ、記憶失ってやがる。
「どあほう、忘れてんじゃねぇよ。ったく。
お前がΩだっつーのは知ってる。ってゆうか子供もいる。俺はαだ。
お前の名前は流川楓じゃねぇ、桜木楓だ。俺と結婚したかんな」
俺は言い切ると楓が見つかったことを知らせるため、お義母さんに電話をかける。
『もしもし、花道君?』
「あぁ、お義母さん。楓見つかったっすよ。
でも、一部記憶を失ってる見てぇで。何で、病院に連れていきます。・・・子供たちを病院まで連れてきてくれますか?」
『えぇ、わかったわ。それじゃぁ今から向かうから、楓を宜しくね?花道君』
「はい」
俺は通話を終了指せると、ポケットにケータイを入れ込んだ。
「楓、病院連れてくっから背中に乗れ」
「はっ?何言ってんだ、てめぇ」
「いいから早く乗りやがれ」
有無を言わさず俺はしゃがみこみ流川を背中に乗せておんぶをしてやる。
立ち上がると病院まで一目散に走った。

「椿先生、楓の様態はどうなんすか?」
Ω専用の病院に付き、妊娠時、出産時にお世話になった椿先生に楓を見てもらい、聞いた。
「花道君、ここに来るのが早くて良かったわ。もしかしたら、三人目の赤ちゃん降りちゃう所だったんだから」
「さ、三人目?」
「あら、言ってなかった?ごめんなさいね。
おめでとうございます。四週目ですよ」
楓のお腹には、俺達の愛おしい子供がいるっていることで俺は驚いた。そんな話楓から聞いてなかったから。
でも、それを喜んでいる場合じゃねぇ。
「楓はどうなんっすか?記憶失ってたんすけど」
「あれは一時的なものよ?だから大丈夫。目が冷めれば、ちゃんと記憶が戻りますよ。赤ちゃんも、楓君も大丈夫よ?
そろそろ目が覚める頃だから行って上げなさいよ、花道君」
メガネをかけ直して、俺の肩を叩く椿先生。
椿先生にお礼を言うと、俺は愛おしい妻・楓が寝ている病室に急ぐ。
病室に入るとそこには、愛おしい子供達とお義母さん、そしてベットに寝転がっている楓。
「んっ・・・」
楓の呻き声が聞こえて楓の顔を見ると、半分目を開けた楓がこちらを見ていた。
「花道・・・・・・、あれ、俺何で・・・」
完全に目を覚ました楓が起き上がり、髪をかきあげる。どあほうじゃなくてちゃんと花道って呼んだってことは記憶が戻ったん、だよな?
「かぁちゃん」
「ママー」
「おめぇら・・・。おいで」
目に涙をためている子供たちを見て楓は微笑むと、1人ずつ抱き上げてベットの上に乗せると、優しく抱きしめる楓。
楓に抱きしめられた瞬間、泣き出した子供たちを見て俺はやっぱり楓には勝てねぇなって思う。
母親と父親は違うもんな・・・。
でもやっぱ、楓を支えられんのは俺だけだな。
俺は思いながらベットに近づき楓が抱きしめている子供達ごと抱きしめる。

そして、少し経ち家に戻った俺達は、楓が見つかって安心した子供達を寝かせて、二人の時間を楽しんでいた。
「そいやぁ、楓。三人目の子供が出来てるって椿先生が言ってたぞ?」
「ああ、知ってる。今日言おうと思ってた。俺、誕生日だったし」
「そうだな、とんだ誕生日だったな?でもよ、俺は楓と一緒にいるだけでいい。それがよく分かった」
「俺も、花道さえいればそれだけでいい。愛してる」
楓も良っぽど疲れたのか、愛の言葉を言った後俺の胸に頭を当てて腰に手を回して、俺を抱きしめるような形で眠りについた。
「俺も、愛してるからな」
流川の頭の下に腕を通し腕枕をして楓を引き寄せて抱きしめた。そして俺も眠りについた。

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