マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 番外編
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今日は年に1度のクリスマス。街中にはクリスマスソングがあちこちに聞こえ、家族連れの笑顔が溢れている。クリスマスケーキが入った箱を大事そうに握る、きっと家族に買って帰るのだろうと思える男の人。クリスマスプレゼント、何が来るかなーと子供たちと手を繋いで歩く親子。
その中零は子供たちへのプレゼントを買いに秀一と買い物に来ていた。
「秀一さん、子供たちへのプレゼント何がいいと思います?」
「そうだな、あの子達はなかなか欲を言わない子だから・・・。そうだ、一がこの前ホームズの本が欲しいと言っていたな」
「そうなんですか‍?そういえば、優も同じような事を言ってましたよ。それと新一くんと推理の話をしたいと」
「わが子ながら、少し笑ってしまうな。あの子達は本当に趣味も、好みも俺たちにそっくりだ」
「そうですね。私も同じ事を思ってました」
零と秀一は自分たちそっくりな子供たちに苦笑しながら、シャーロックホームズの本を買いに本屋に向かった・・・。
のだが、原本がそんな簡単にうまくは手に入らず、向かった先は工藤邸だった。
「優作、頼みがあるんだが・・・」
「わかってるよ、先ほど零に連絡を貰ったからね。寒いから家に上がるといい」
優作に案内されリビングに通される。机にはシャーロックホームズの原本が2冊置いてあった。
「これは保存用だったんだがね、あの子達へのプレゼントならこれを譲るよ。2冊とも同じ本ではないから、順番に見れるようにしてあげてくれないかね?」
「あぁ、ありがとう、優作」
「どういたしまして、親友の頼みならいつでも受けるよ」
優作から2冊の本を受け取った秀一は、微笑みながらお礼を言い、零とともに工藤邸を後にした。急いで家に帰りその本をプレゼント用に包んだ。
それとともに、さっき本とは別に買った一達へのプレゼントを包んだ。
「良し、これで完成だな」
「えぇ、子供たちを迎えに行きましょうか」
「あぁ」
完成したプレゼントを自分たちの部屋の棚に隠した秀一達は子供たちのいる保育園に迎えに行った。

夕方、子供たちと一緒に家に帰ってきてすぐ、谷本を一とした警察学校の友人四人が家を訪れた。
「久しぶりだな、一くん。大きくなって」
「おっ、ほんとだ。優ちゃんは秀一に似てきたな」
「言われてみればそうかもな。逆に一君の方は零ちゃんに似てるじゃねーか」
「それは分かる」
はじめに松田、萩原、伊達、谷本の順に子供たちの成長した姿を見ながら笑う。人懐っこい一はその4人に駆け寄って、自己紹介を始める。
「はじめまして、赤井一です。おにいちゃん達は、ママ達のお友達‍?」
そう尋ねる一に、松田が口を開く。
「そうだよ。俺はどっちかっていうと、パパの方の友達だな。それで、あのチョビ髭のおっちゃんと、ロン毛のおっちゃんは、ママの方の友達で、俺とあの髭面のおっちゃんは」
「「おい、松田!誰がおっちゃんだよっ!」」
松田のおっちゃんという言葉に反応したのは、伊達と萩原。スコッチはあゆみ寄ってきた優を抱き上げ、3人を見ながら笑う。
「君たちも一緒にケーキ、食わないか?」
秀一が、未だ玄関で屯っている四人声を掛けると、優を抱っこしたスコッチが先に動く。
「おい、谷本、狡いぞ」
「狡くねーよ!お前らが遅いだけだろ。なー‍?優ちゃん」
「うん」
優ちゃんに肯定されてしまったので大人しく従い、部屋に上がった。
あっ、そうだ、と思い出したように声を上げる谷本。
「どうした?健二」
「いや、子供たちへのプレゼント、車に忘れてきたから取ってくるよ」
「用意してくれてたのか、ありがとう」
谷本は、車の鍵をポッケから出すと急いで車に向かって行った。
「先にケーキを切り分けようか」
秀一が声をかけると4人もこちらに来て、皿を出すのを手伝う。丁度そこに袋を2つ持った谷本が戻ってきた。
「優ちゃん、一くん。これ俺からのプレゼントだ」
「やったー!ありがとう、お兄ちゃん」
一が谷本に近づいて先にプレゼントを受け取った。ちゃんとお礼が出来る所は、ちゃんと親の躾が出来ているという事が分かる。
谷本は零の足元に隠れている優に話しかけ、プレゼントを渡す。
「優ちゃん、これはおじちゃんからのプレゼントだよ」
「あっ、ありがとうございます」
恥ずかしがりながらもちゃんと受け取りお礼を言う優の頭をなでて笑うと、優も少しだが微笑んだ。
谷本は、立ちあがると、秀一たちの元に向かった。
「じゃぁ食べようか!」

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