マイフレンドD

□〜君と僕が幸せになれる方法〜 第2章 新しき時代
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それから何年か経ち零たちは34歳の誕生日を迎えた。組織の中でも優秀な幹部となった零たちは、科学者である志保とともにある薬を作った。
一つ目は、血縁上の関係者だが、その薬を飲むと従兄弟か再従兄弟くらいの血縁関係になる。効果は解毒剤を飲むまで続いたままだ。
そしてもう一つは、以前組織が開発していたAPTX4869と同じ症状が起きる。だが以前のものとは違い、自分が設定した年齢だけ戻れるというものになっている。解毒剤も完璧に作り上げた。
後はこれを守りたい人に飲んでもらう算段だ。まずは、以前死んだ日が明後日に迫っているスコッチからだった。

2人はそれを行動に移し、家にスコッチを呼んだ。そしてスコッチを明後日、組織からノックの疑いが掛けられると言うことを先に伝える。
「スコッチ、明後日お前に組織からノックだと言う疑いが掛けられる。当然殺せと命令が下るだろう」
「わかってる。でも俺にどうしろと‍?」
「ここからは友人としての頼みだ。お前には死んで欲しくない。谷本健二と言う名は出していないのだから、組織のスコッチとして死んだことにしないか」
明らかに最後の言葉にスコッチが反応した。それを見た零は追い討ちをかけるように言葉を発する。
「私も谷本さんには友人として死んで欲しくないです。宮野姉妹もすぐに助けます。だからお願いです」
深々と頭を下げる零に溜息をついたスコッチが微笑んだ。
「ありがとう、秀一、零ちゃん。明美達までも・・・。で、俺はどうすればいい‍?」
意図に気付いたスコッチが真面目な顔をして聞いてくる。それに秀一が答えた。
「健二には俺たちが組織から抜けるまで、俺達の実家に居てもらいたい。この薬を飲んで・・・。大丈夫だ、ちゃんと解毒剤もある」
「わかった」
そしてその明後日を迎えた今日。
スコッチに変装した秀一は前回スコッチが亡くなった倉庫に来ていた。
組織からの命令を受けて零はスコッチを殺しにその倉庫へと来た。
「なぜお前がここに・・・」
「あなたがノックという証拠が出ました。なので、組織から殺せと命令が来ました」
「・・・」
「さよならです、スコッチ」
零は額に銃口を向け躊躇いもなく打った。
そして爆弾を仕掛けると零は何事もなくその場を立ち去った。数秒後、その倉庫は火の海とかした。
「終わったか、澪南」
「えぇ、行きましょう。大お兄ちゃん」
ジンに殺した時の報告と証拠を渡す。
「随分早かったな、バーボン」
「えぇ、裏切り者には征伐を、ですから」
「よくわかってるじゃねーか」
ジンの言葉を流すように聞いたあと、零と秀一はこの場を後にした。

翌日、スコッチを変装させたシャロンがスコッチを実家まで送ってもらう事になった。
「じゃぁベルモット、お願いしますね」
「えぇ、無事に送り届けるわ」
その送り届ける最中、



スコッチは死んだ。

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